検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:846 hit

#48「へっへーん、私の25連勝!」 ページ1

「へっへーん、私の25連勝!」
「くっ、なんで勝てねえんだ!」
田中くんとAは、暇を潰すためあっち向いてホイ対決をしていた。

これも、田中くんがこの姿であるから出来ることだ。

「畜生、もう一回だ!」
「いいよ!何度でも受けて立つよ!!」

その時、石扉を叩く音とアルカの声が聞こえた。
「A!Aっ!!」
「ア、アルカ!」
Aがアルカの名を呼び急いで石扉を開けると、アルカが真っ先に駆け寄って来てAの手を握った。
「無事で良かった…本当に」
Aが、途中でレーリィが襲ってきて、田中くんが戦った事を伝えると、田中くんにも深々と頭を下げた。
「Aを守ってくれて、ありがとうございました…!」

田中くんは、酷く動揺していた。

「いや、…っその、オレ、咄嗟にあんな事言ったけど…お前の役目奪ったみたいで…ご、ごめん…」
目を合わせて言うのは照れ臭いのか、目をそらして歯切れの悪そうに謝る。アルカは、慌てて首を振った。
「いやいや、キミはよくやってくれたわよ〜。…それに、2人の仲も深まったでしょ?」
セドナが田中くんの肩をポンポンと叩くと、田中くんは素っ気なく振り払う。
「……別に、そんなん無ぇよ。」

コホン、というメルスの咳払いによって、一行の注目は彼に集まった。
「君が焔の勇者で間違いない?」
「焔…?多分私それ。あなたが導師メルスさん?」
「メルスでいいよ。さぁ、早く教会に戻って治療をしないと。オレまだ導師としては未熟だからさ、神聖な場所で少しでも神の力を借りないと出来ないんだ」
頭を掻きながらメルスが言うと、またラルフの案内によって教会へと一行は歩き出した。


そして、教会に着くと、メルスはアルカ達を奥の集会室に入れ、丁度人数分用意された椅子に座らせた。田中くんは心配そうにメルスに問う。
「…おい、大丈夫なんだろうな」
「心配しないで。…ただ、申し訳ないんだけどちょっと時間がかかるから、暫く待っててね。ラルフにお茶を入れさせておくから。」
「あっ、分かりました!メルス様!」
「…もう、ラルフは変わらないなぁ。ふふ…久しぶりの治療だから、気をつけないと…」
そう呟きながら、メルスはAの待つ礼拝堂へと消えた。
ラルフがお茶を入れる為に椅子から立ち上がると、紅が笑う。
「ラルフの入れるお茶は絶品だ、味わって飲むんだぞ。俺もいつも公務のお供に…」
「仕事の7割を僕に押し付けておいて、よくそんな事言えますね?」
紅は言葉を詰まらせた。

#49「よ、よかった…」→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (2 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:オリジナル , ファンタジー , トリップ   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:蓬莱あむ(ほうらいあむ) | 作成日時:2017年8月11日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。