今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:526 hit
小｜中｜大
【黄】俺が決めてもいいの？ ページ11
「あっ、やっと来た。めちゃくちゃ待ってたからな！」
扉を開けた瞬間聞こえてくる明るい声。声の主は自分の手首が痛むのも気にせず、手枷に阻まれるギリギリの距離までこちらに接近していた。
声の主である患者は、クレヨンで描かれた太陽のような、明るい黄色の目を爛々とさせている。
この部屋の患者は部屋に来た当日から不満を垂れることもなく笑っていた珍しい患者だった。
「彼女に病気を移したくないからな！」と言う患者は病への研究にも熱心に手を貸そうとしてくれている。
先日、病の研究開発の為患者の身の回りなどさまざまなことについての話を伺いたいと言えば、患者は待ってましたと言わんばかりに首を勢いよく縦に振った。
「この前からずっと考えたんだけど…」
「話の内容って、俺が決めてもいいの？」
患者の精神状態が分かる、一種の心理テストにもなるかもしれない。
了承すると患者は今まで以上の優しい笑みを浮かべ、拘束している鎖に余裕ができる壁際へ座り直すとこちらへ来るようにと手招きをした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：置き去りにされたレタス | 作成日時：2020年11月25日 13時
