屋上 ページ37
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ーーー元刑事、蒲郡慈生が殺人容疑で逮捕された。
速報のテロップで流れたのを皮切りに、その動機に注目が集まって。即日ワイドショーは悲劇に沸いた、らしい。
けれど所詮それだけで、実際の悲劇は彼が捕まるその場に居た人間しか知らない、と志摩は思う。
許さない、と。何度も繰り返した刑事だった男の言葉も、誰よりも信じていた恩師の残酷な真実に痛いくらい泣き叫んだ伊吹の声も、うざったい程耳に残っていた。
……それでも警察組織ってのはある意味平等で、無慈悲で。あと１時間もすれば404の24時間密行は始まる。
屋上に繋がる階段の前。すきま風を頬に感じながら、志摩はふと嘆息した。
「ーーーで、アキラさんはいつからそうしてんの」
まるで子供みたいな体育座りで、ともすれば扉で挟んでしまいそうな死角からまんじりとも動かない。
いつかに居酒屋で眠り込んだ時の事を思い出したけれど、彼女の目はどこか虚ろに開いていた。
「２人が帰ってきてすぐ。先輩が、屋上に行くのが見えたので」
「え、分駐所のあそこの窓から？やっぱ目良いね、ほんと」
「あと、志摩さんの提出したこの件の報告書、隊長が席外した時に盗み見ちゃって。……遠目から」
「あーなるほど、遠目から」
「どうしても、今日行っちゃった先輩の結末が気になって」
梅干しみたいに萎れた顔をしながらも「ダメでしたね、やっぱり」と呟く。「やっぱり」と言う事は、あのひよこのアキラさんですら薄々結末は解っていたのだろう。
「字で見ただけでも、その……思ってたより、数倍。キッツかったですけど」
「それはまあ、うん。そうだな」
それで伊吹を慰めたかったのか、何なのか。それは本人も良く解っていなさそうだったけれど、とりあえず屋上まで上ったーーーという所だろうか。
せめてそんな微妙な所で座り込まずに入れば良いものを とも思うけれども、彼女が入らない理由は何となく分かるような気もした。
「アキラさんさ、伊吹に負い目感じてる？
ガマさんの無実を信じるとも言い切れず、でも否定も出来ず。挙げ句「伊吹に罪の告白をする人は惨め」って言っちゃった事について」
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夜空 -Night Sky-(プロフ) - 果さん» はい！もちろんです！ (2021年5月31日 1時) (
レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
果 - 莉子さん» 莉子様、ありがたいコメントを頂き感無量です…！長らくお待たせしてしまいましたが続編作成致しましたのでそちらもまたお願いいたします。 (2021年5月17日 14時) (レス) id: 5cf2525d27 (このIDを非表示/違反報告)
果 - 夜空 -Night Sky-さん» またまたお久しぶりです！続編作成致しましたので、そちらものんびりとお付き合い頂ければ幸いです！ (2021年5月17日 14時) (レス) id: 5cf2525d27 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 本当にすきな作品です。続きが楽しみで仕方がありません！！！応援してます！ (2021年2月21日 2時) (レス) id: acfcc10f6f (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - 果さん» こちらこそ素敵な作品をありがとうございます！...くずみぃいいい() (2021年2月14日 23時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：果 | 作成日時：2020年7月30日 22時
