藍色の誘拐犯【神威】

___19話___ ページ19

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宇宙最大組織の犯罪グループだとか、団長をしているとか 色々話を聞いたけど、私的に一番衝撃だったのは 今いる場所が宇宙だったということ。



｢窓から宇宙を見てみたいです！｣



そう言った私の目は キラキラと輝いてるはず。



神威｢えぇ、うーん、部屋の外は危ないから｣

｢そうですか…残念です。初めての我儘だったのに｣

神威｢……夜中なら、見に行けなくはないけど｣



渋々といった様子でも、私のお願いと分かればすぐに折れてくれて、喜んで抱き着けば ｢してやられた｣と呟きながら私の腰に手を回した。





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｢うわー！すごい｣

神威｢大きな声は出さないでね。今誰か来たら殺しちゃうかも｣



唇に人差し指を当てて微笑まれた。

確かに犯罪者が集っているみたいだし危険なのかも？
でもマントのような布を全身に、顔まで深く被って変装しているし 大丈夫だと思うんだけど。



｢いいなぁ 神威さんはこの景色いつでも見れるんですよね｣

神威｢もう見飽きたよ｣



見飽きるなんて贅沢…と流れ星を数えていると、神威さん以外の足音が耳に入った。



神威｢なんだ阿伏兎か｣

阿伏兎｢珍しいな。こんな時間にどうした｣



体が大きくて、ちょっと怖そうな男の人。
慌てて神威さんの背中に隠れた。



阿伏兎｢例のお気に入りか｣

神威｢可愛いでしょ。従順なんだ｣



顔を覗き込まれそうになるから、神威さんを盾にして避ける。
それを繰り返してグルグル逃げ回っていると、私を拾った時に一緒に居たんだと説明された。

だから殺さないんだ、この人は私を見た事あるから。



神威｢ここまで懐くのに結構かかったんだよ｣

阿伏兎｢というか、マインドコントロールされてんじゃねェか？嬢ちゃん｣



阿伏兎さん、という人が何を言ってるのか分からなくて首を傾げていると
｢洗脳だ｣と言われて、神威さんが怒ってる。



神威｢もう部屋に戻ろう。オジサンといたら加齢臭がうつる｣

阿伏兎｢嘘つくな俺はまだそんな歳じゃねェ｣



強めに手を引かれて、押し込まれるように部屋へ戻って、フードを外すと ちょっとした解放感に包まれた。



神威｢さっきの奴が副団長だよ。変なこと言ってきたけど気にしないで、ごめんね｣



また代わりに謝ってる… ほんと私にだけ甘い。

洗脳じゃなくって、このままだと私が依存してしまうんじゃないかな。






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