藍色の誘拐犯【神威】

___31話___ ページ31

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船を降りた途端とても冷たい風に驚いた。私が飛んだ日はまだ暑さが残る季節だったのに。

神威さんに攫われてから もう2､3ヶ月くらいは経ったのかな。



神威｢寒そうだね、もう少し厚着すればよかった｣



寒さに身を縮こまらせている私に気付いて、手を繋いでくれた。
手を絡める恋人繋ぎはとても温かい。



神威｢それで、何を買いたいの？気になる店があったら入っていいからね｣

｢あ、じゃ…あっちの｣



適当に指を指した先がまさかの下着屋さんで、慌てて指先を宙に泳がしたけど遅かった。



神威｢俺は店の外で待ってるから、ゆっくり見てきなよ｣



カードを渡されて、これでお会計が出来るらしい。
私が買いにくい事に気付いて、外で待っててくれるんだろうな…神威さんって絶対モテる。

そう思ったのもつかの間

買い終わって店を出ると、蔑むような目で逆ナンパを追い払っている神威さんを見て、あの人が優しいのは私にだけなんだ と妙に納得した。





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｢あ、あの店！入りたいです｣

神威｢あそこ男物しかないけどいいの？｣



神威さんがいつも着ている服と、よく似た系統の服屋さんを発見して舞い上がってしまった。

この店ならきっといいプレゼントが買える！と… 男物の服屋なんて怪しまれるに決まってたのに。



神威｢どちらかといえば俺のじゃ｣

｢お揃いの服が！…欲しくて｣



咄嗟に思い付いたまま 口にしてしまったけど、神威さんの今日一番の笑顔が見れたし、服とは別にこっそりプレゼントも買えたから 結果オーライだよね。






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