うらみちお兄さんといっしょ (ページ7)

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あいページ7

「待てって
もう遅いから、帰るなら送って行く。」

後ろから抱きしめられたまま、彼女は首を振ってドアノブに手を伸ばそうとしている。

「今日はダメなんです
変なことばっか考えちゃうもん」

「なんで。
俺はお前のことちゃんと大事に思ってるよ」

「…ほんと？」

本当に決まってるだろ

そう言って彼女の頬にキスをする。

「不安にさせたのは、ごめん。
わざわざ言葉にしなくても分かってると思ってた。
俺がどうでもいい女と毎日のように会いたいと思うわけないだろ」

ドアノブから手を離して目を擦ろうとする彼女の手を止めて肩を掴んで振り向かせる。

「Aといると落ち着く。
こんな俺なんかと一緒にいて楽しいのかと思うけど、お前の笑った顔とか、恥ずかしがってる顔とか、全部好きなんだ。
顔だけじゃないぞ。優しいとこも、なんかホワホワしてるところも、いつも俺だけ癒されてて、ちゃんとAのこと考えられてなかったな。ごめん」

彼女の頬を両手で挟んで親指で溢れた涙を優しく拭う

「俺はAが好きだ。
…その、結婚を前提に、付き合って欲しい
言っとくけど、頷いたら二度と離さないからな。」

うんうんと頷いて俺の首に腕を回してくっついてくる彼女

それも俺の大好きな笑顔で。

「結婚までしてくれるの？」

「Aがいいなら。でもさっき頷いただろ？
嫌って言ってもいつかは籍入れてもらうからな」

「強引だ」

そういいながら笑顔でおでこをくっつけてくる。

目を閉じた彼女のまつ毛は長くて、泣いたせいでマスカラが少し落ちているけど、かわいい。

ゆっくりと彼女の瞼が開いて、鼻同士をすりすりとくっつけてきた。

「なんだよ、くすぐったい」

「ふふふ、きもちい」

数分玄関で抱き合い、彼女の荷物を預かってリビングへ戻る。

その日も一緒に風呂に入って、2人でベッドに入る。

泣き疲れたのか、キスをして腰辺りを優しくトントンと叩いているとすぐに寝息が聞こえ始めた。

「泣かせてごめんな」

そう言って柔らかい頬にキスをする。

少し笑ったような気がするけど、気のせいだろうか。