名前 ページ25
Side.ショッピ
ショッピの身体の中にゾワリと不快感が走る。
会話の中で響いた悲痛な叫び声。
場の空気を凍りかせるのには、それだけで充分だった。
「……声………」
扉の方を呆然と見つめながらチーノが呟く。
「しにがみ先生の……声やった……」
……確かにそうだ。
いくら悲鳴と言えどあんな高音、普通男性は出せない。しかし、ショッピ達が見た限り女性は誰一人として居なかった。女性のように高い声、そして、校内に残っている人物。
その条件に当てはまる人物なんて……あの人しか居ない。
「一体何が………」
エーミールが元々青かった顔をさらに青くする。
「……っ、行ってみましょう」
「…!、せやな」
ショッピの声にチーノが現実に帰る。その顔色はあまり優れていない。きっと自分も同じような顔をしているのだろう、なんて思いながらショッピはエーミールへ視線を送る。
エーミールは少し戸惑いながらもすぐに決心したかのように拳を握って小さく頷いた。
「待って」
二人が承知したのを確認したショッピが扉を開こうとすると、例の幽霊がフヨフヨと浮遊しながらその前に留まる。
「もし良ければ……俺も行っていい?」
意外な提案者にショッピが目を見開く。
「ここに居たってすることも無いし……まぁ、俺に出来る事なんて限られてるけど……」
そう言った幽霊からショッピ達を陥れようとする気は感じられない。
……どうやら、あの執事が言っていた話は正しかったようだ。
「全然大丈夫ですよ。むしろ助かります」
ショッピが幽霊にそう告げると、彼は誕生日プレゼントを貰った子供のようにパァァと顔を明るくさせた。
「よろしくお願いします。えっと……」
「ん?……あぁ、俺、猿山らだ男。皆は?」
「…俺はショッピっす」
「チーノやで」
「エーミールです」
「ok把握。それじゃ行くか!」
猿山の合図と共にショッピが扉を開ける。
こうして四人は死神らしき悲鳴が聞こえた場所へと向かった。
*****
すみません遅くなりました(土下座姿勢)
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楼(プロフ) - ただの黒砂糖さん» おめでとうございます!! (2020年7月18日 23時) (レス) id: c0af763869 (このIDを非表示/違反報告)
ただの黒砂糖 - 10000hit………え??うせやろ??? (2020年7月18日 23時) (レス) id: 93e33a038d (このIDを非表示/違反報告)
ただの黒砂糖 - 楼さん» ちょっとヒント与えすぎたかなHA☆HA☆HA……コメントありがとうございます(賢者タイム) (2020年7月18日 23時) (レス) id: 93e33a038d (このIDを非表示/違反報告)
楼(プロフ) - sn君よ…君が鬼なったこともお兄ちゃんが誰なのかも丸わかりだ (2020年7月18日 20時) (レス) id: c0af763869 (このIDを非表示/違反報告)
ただの黒砂糖 - 114514さん» 読まれていた…だと……!?あ、コメントありがとうございます。 (2020年7月3日 18時) (レス) id: 93e33a038d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ただの黒砂糖 | 作成日時:2020年4月19日 13時