おしまい ページ42
Aside
まだ家に帰りたくない。
そんな子供心の我儘を堂前に聞いてもらいなんとか
遠回りをすることに
でも、家に近づくという事実は変化をもたらすことはなくて
それを悟られないように堂前と会話をする。
見慣れた景色が私の心拍数を上げていく
今日は帰らんって言っとったから大丈夫。
そう言い聞かして「じゃ、ここ家やから。また明日」
と帰りたくない気持ちに弁を付けて元通りにする。
堂前「うん、また明日」
持ち前の優しい笑顔でそう言うから
安心したようにスピードはぐんぐんと落ちていった。
「…ただいま、」
鍵を開けて誰もいない家にご挨拶をする
靴を脱いでマフラーをとりリビングに向かう
だけどなんか違和感があって後ろを振り向くとそこには
帰ってこないはずのあやとくんの姿があった。
あ「おかえりなさい。遅かったね。誰かと飲みに行ってたの？」
"また明日"と小さく手を振る優しい顔をした
堂前の顔が今では恐怖の材料になる
「っうん、久しぶりにと思って」
あ「誰と？」
間髪入れずに問いかけてくるあやとくんに
負けじと私も口を動かす。
「最近な、エルフっていうコンビがテレビに出てんの知っとる？そのツッコミのはるって子と最近仲良うしてんねん。」
あ「はるって事は女性の方？」
「そうやで」
女性とわかるとあやとくんの顔は
徐々に笑顔になるのがわかった。
あ「そっか。楽しかった？」
「うん、そりゃもう」
あ「なら良かった。あ、お水いる？」
「少し貰おうかな」
あ「おっけ。持ってくるね」
「ありがとう！」
嘘、ついてもうた。
バレてへんやんな。大丈夫やんな。
今私の脳内には、はるの可愛らしい笑顔なんかやなくて
堂前の顔だけやった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 174人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「お笑い芸人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りた(プロフ) - 244yukaさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！ (2021年11月9日 16時) (
レス) id: c63a946cef (このIDを非表示/違反報告)
244yuka(プロフ) - 初めまして！開始当初からずっと拝見させて頂いてます。めちゃくちゃ辛いです…笑 早くリリーさん助けて！って思いながら毎回読んでます笑 また楽しみにしております！無理なさらない程度で更新して下さいね！ (2021年11月5日 8時) (レス) @page36 id: 14faa5d2a0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りた | 作成日時：2021年10月9日 15時
