寝たら即帰宅の旅。

最終回 ページ32

2人同時にカウントを開始する。




5…4…3…2…1…


【しばゆー、A OUT】







アウトサインを出しても二人の反応はなくカメラマンが声を掛ける。




がっちゃん
「しばゆーさん、Aさんアウトです。」




目を開けるとペイソンさんの「嘘だろーー！」と言う甲高い声が聞こえる。

二人で顔を見合わせる。ガチで信じられないといった表情だ。






しばゆー
「えっ、嘘だろ？」

がっちゃん
「アウトです。」




がっちゃんの言葉を聞いてAは繋いでいた手をギュッと握り『ごめーーーーん！！！』と悔しそうに謝る。




しばゆー
「いや、大丈夫だよ。A。寝てないもん。」







信じられないしばゆーとカメラマンも一緒にビデオ判定する。ペイソンは笑いを堪えながら映像を観ている。


分かってはいたがやはり寝ていた。







「嘘だろ！あと1時間じゃん！」

『うわーーー！』

「寝てないって…もう許してよ。」


がっちゃん
「とりあえずじゃあ…このビデオカメラ俺が投げてきましょうか？」



お土産のたった10分間の待ちで落ちてしまった。あながちあの時のおみくじは間違って無かった。








ペイソン
「って言うか何で手ー繋いでたんすか？」

がっちゃん
「諦めて寝てたんですか。」


しばゆー
「そんな訳ないだろうが！！作戦だよ作戦！」




【しばゆー、A 脱落】









二人は荷物をまとめて次いでに皆の忘れ物も回収しエントランスを出て締めを撮る。



しばゆー
「という訳で」


「『東海オンエア 2泊3日 寝たら即帰宅の旅終了！！』」




しばゆー
「今年も波乱の展開お疲れ様でした！」

『お疲れ様でした…！』



あと１時間のところで帰宅する羽目になった上、ここまで頑張ったのにタクシーで帰るという苦行。



『何だか横にしばゆーくんが居るのが新鮮です。』

「そうだね、いつもりょうだもんね。」

『しばゆーくんとも完走したかった…!!』

「俺もだよ…！」




お互いの頑張りを讃えるように抱き合って背中を叩き合う。



2人が帰宅するのをカメラマン＆バディー一同は見送る。タクシーの横に並ぶ二人。





「こんなお別れ…」

『寂しいです…。』






タクシーに乗り込む前にAとしばゆーが一言。


『諦めたらそこで試合終了です！』

「悔しいｯ！だがｯ！それでいいｯ！」






バタンっと扉が閉められ2人を乗せたタクシーが発進する。タイヤに踏まれたグレーチングが悲しく音を立てた。



ーFin

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