寝たら即帰宅の旅。

3-30 二人の作戦 ページ31

朝食を終え、完走まで1時間30分。
ゴールは近いのに眠気は相変わらず襲ってくる。





気を抜いたら落ちる。

二人ともぼけーっとどこか一点を見つめていた。





『眠い…』




小さく呟く彼女の方を見ると顔は疲れきっていた。



「一緒に完走しようね。」




励ますように少し明るい声でAの手を上からぽんぽんと叩く。

すると、少し声のトーンを上げて微笑みながらうん！と頷く彼女。


でも瞼は重そうでパチパチと瞬きをしている。








『する…一緒に……。』



健気に何とか耐えながら頑張っている姿を見てこんな時だがキュンとした。


3角座りで組んでいた腕を解きAに身を寄せキスをした。




「目、覚めた？」






頭がぼーっとしてて理解するのに時間がかかる。

えっ…と顔に手を当てて赤くなるA。




『さ、覚めました…。』




次はAの反応に理解するのに時間が掛かる。

あれ、何でA照れてんだ？
あぁ…俺がキスしたからか。


きす……キス。






しばゆーも時間差で顔を赤くしてAから顔を逸らす。

頭回って無かったとは言え何してんだ俺！？





「ごめん。ほんっとごめんなさい。」


『い、いえ…私もぼーっとしててすみません。』





お互い気まづい空気が流れる。
最後の最後に何やってんだ…と反省しているとAから声を掛けられる。







『さ、最後は協力しませんか？』

「え？」








手を繋いでお互い寝ないようにする協力スタイルとなった。寝そうになったら力を入れて起こすと言うことだ。






ー残り1時間


カメラマンが部屋に入ってくると入口付近で壁に寄りかかり手を繋ぎ目を瞑っている2人の姿が。

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