東海オンエア短編。 (ページ22)

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｜(虫眼鏡) ページ22

『違います!! 虫さんが嫌いとかじゃなくて…！
単に男装とかしてみたかったと言うのが…』

と、少し申し訳なさそうに言う。

ふーーん、じゃあ僕は利用されたって事ね。
そりゃ、Aの男装姿とかめちゃ似合ってて見れてよかったなとは思うけど…

と少しモヤモヤしているとさらに、Aは続けた。

『後は私だけ女性だから皆と同じ様にこういう格好してはしゃいだり出来なかったりするから…。』

でもそういう気持ちにさせちゃってごめんね、
と謝ってくれた。

こんなのそういう企画だし僕がただネチネチ嫌な風に言っちゃっただけなのに…お人好しめ…。

確かに、Aはジャイアンとかルパンとかそういうジャンルのやつは中々難しい所がある…

自分もやってみたかったんだなー。

「ううん、こっちもごめんね。変な風に言っちゃって。」

何だか謝る内容がおかしくて二人でふふっと笑ってしまう。

後日、

虫さんから服を頂いた。
今度僕の真似する時にぜひ使ってと言われた。

『ありがとうございます!!早速来ていいですか？』

「え？話聞いてた？」

虫さんに笑われるが聞いてましたよ!と言って脱ぎ脱ぎして着替える。

着替えると嬉しそうにおぉー！と言いながら鏡の前でクルクルしてる。

そんなAを見て嬉しくなる。

「なんで着たの～？」

『だってー、虫さんからのプレゼント嬉しくて！
着たくなっちゃいました。』

少し照れくさそうに笑っていた。

可愛いな、そんなこと言わんでよ。

でも、やっぱり大きいですねーとパタパタ伸びた袖を動かしている。

「もーー、ちょっとハグさせてください。」

問答無用で後ろからハグされるA。
最初ぎゅっとする力が強くてうぅー…と鳴かれたがお構いなしである。

Aなのに僕の匂いがする。
これ、いいな…なんか独占してるみたい。

『虫さん…？もう、いいですか？』

「あ、うん。ごめんね。癒されました!!」

Aはちゃんと理解していなかったが
良かったです！と元気な返事が返ってきた。

みんなの所に行くと、さっそくAから虫眼鏡の匂いがする！！とザワザワしてその日はマーキングの役目を果たした。

ガチで週一でAにぼくの服送ろうかなと考える虫眼鏡であった。