東海オンエア短編。 (ページ35)

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｢Aちゃん？｣

『こうさせて下さい…。』

ん、分かった、ありがと。と言ってしばらくお腹をさすさすされる。

　

最初のうちは何か落ち着くなー、と思っていたけど時間が経つにつれて変な気持ちになってきた。

Aが、さすってくれる部分に神経が集中して…
何か……やばい！！

はやく、見つけてーーというしばゆーの気持ちも虚しく全く来る気配はない。

アイツら何やってんだよーー！！

Aは呑気に来ないですねー、と呟いてた。
俺は我慢出来なくなって

｢ちょ、ちょっとくすぐったい…。｣

　

嘘申告だが、そう言うとAはごめんなさいと言ってさする手を止めてくれた。

よかった…これで大丈夫だ。今は…。

少しすると、Aが心配そうに尋ねてきた。

『お腹、大丈夫になりました？』

｢あーー…。｣

ほんとは全然痛くない、A軽いし。
正直、さすさすなくなって良かったってあの時思ってたけど何かなくなると寂しい。

結構、倒れた音大きかったしな。ガタンって言ってたもん。ガタンって。

俺、その音にちょっとビビってたし。
そりゃAも心配するよな。

しばゆーはスルッと自分の手を彼女の手に滑らせる。Aはビックリしてこちらを見る。

『しばゆーくん？』

｢手、繋いでもらっていい？｣
　

『え？』

｢なんか落ち着くから、ダメ？｣

｢いいですよ…!!｣

と言って2人で寝そべりながら手を繋ぐ。
心配してくれて手を繋いでくれてるAに嘘つくのは忍びないが…

ほんとに落ち着く。

落ち着くわーーー

すー…すーーー…

え？

すー…すーーー…すー…

隣を見ると寝息を立ててAは眠ってしまっていた。

いや、ほんとに落ち着きすぎだろ!

それだけ心許してくれてるって事なのかなーと思いながら警戒ゼロに複雑な気持ちを抱く。

彼女と繋がれた手を持ち上げ、

ちゅっ

Aの手の甲にキスをする。

｢もうちょっと警戒してくんねーかなー。｣