温かい味噌汁_伊沢拓司 ページ5
ひんやりと肌を刺激する冬独特の寒さを感じて目が覚めた。
今日は特に寒いな。
ふと隣を見ると愛しのAちゃんは隣に居なかった。
何処に行ったのかな。
俺は布団から出てリビングに向かった。
するとキッチンの方からいい香りがしてきた。
俺の足はその香りにつられてキッチンの方へ動いた。
「あっ、拓司くんおはよう!」
とお玉を片手に笑顔で言うAちゃん。
「おはよう、Aちゃん。」
俺も笑顔で挨拶をした。
「今日は特に寒いね...!」
そう言って顔を顰めるAちゃん。
「そうだね...!」
「だから今日の朝ごはんはお味噌汁付き!お味噌汁だけなら拓司くんも飲むでしょ?」
普段朝ごはんはゼリー飲料で済ませちゃう俺を気遣っての言葉。
「うん、飲むよ..!!」
温かい味噌汁を一口飲む。冷えていた体が一気に温まる。
「どう?美味しい?」
と不安そうに訊いてくるAちゃん。
「美味しいし、温まるよ!」
と俺がそう言うと
「良かった!!」
と笑顔でAちゃんは言った。
寒い日は愛しい恋人の愛情がこもった温かい味噌汁に限るな。
と感じたとある朝のことだった。
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作者名:つきうさぎ | 作成日時:2019年12月18日 21時