髪の毛_伊沢拓司 ページ1
とある休日のお昼。
「Aちゃん。」
とファッション雑誌を読んでいる私を呼ぶのは、愛しい恋人の伊沢拓司くん。
...って何故か凄く深刻な顔してる。
どうしたのだろうか?
「拓司くん?どうしたの?」
「いや...何でもない。」
その間は一体?とにかく何か変だな...?
うーん...何でもないのならそれでもいっか。
私は、読みかけの雑誌に視線を戻した。
その最中に何か視線を感じるような気が..するような...しないような。
パッと雑誌から視線を外して拓司くんの方を向くと目を逸らされてしまった。
やっぱり私に何かあるのかな。...私何かしたっけ。もし別れたいなんて言われたら...どうしよう。
どんどんネガティブに考えてしまう。...もう、謝ろう。身に覚えがないけれど...とにかく謝ろう。
「拓司くん、ごめんね。」
私が謝ると驚いた顔をする拓司くん。
「えっ、何が?なんでAちゃん謝ってるの?」
違ったのか...。じゃあ何故...?
「だって、さっきから拓司くん変だもん。私、何かしたかなって考えちゃうよ。」
「あ...それは...」
「それは...?」
「あー、もう単刀直入に言うよ。Aちゃん髪切ったよね。」
「髪?髪は、切ったよ...!」
髪の毛を切ったのがどうしたのかな...?
「凄く似合ってる。...Aちゃんが可愛い過ぎて理性が持たない。」
と言ってこっちに近づいてくる拓司くん。
えっ、そっちかよ。
「まだお昼なのですが...」
「関係ないよ。」
そう言って私の唇を奪ってきた。
その後たっぷりと愛されてましたとさ。
...ただ髪の毛を切っただけなのにね。
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作者名:つきうさぎ | 作成日時:2019年12月18日 21時