Thistle flowers withered 【東海オンエア】 (ページ30)

今日:14 hit、昨日:0 hit、合計:14,905 hit

秋ページ30

それからすっかり秋になった。葉っぱは赤く染まっている。紅葉の季節だね。金木犀の良い香りがする。

ふんわりとした風が私の体を包む。

秋っていいなあ。

公園のベンチに座りながらそう思う。

今は5時だからもう公園に誰もいない。いるのは私だけ。

ぶっちゃけそろそろ出会いとかあって良いと思うのよ。

周りはどんどん結婚していくし、華子は彼氏と上手くいってるらしいから。

...取り残された感半端ないな。

はあ....モテないのは辛いわ。

がっくりとうなだれていると

足音が聞こえた。誰か入ってくる。

「おい、A何うなだれているんだよ(笑)」

「別に、いいじゃない。」

としみつだった。明らかに変な奴だって思われただろうな。

私は、変な奴ですよーだ。

「すっかり秋だな。」

そう言ってとしみつは私の隣に座る。

「そうだよね。早いね。」

何故か鼓動が早くなる。

「仕事とかどうなの？会社とかさー大変そうだし。」

としみつらしくない質問で焦る。

「え、まあ普通だよ。それとYouTuberだって大変そう。」

「まあね。罰ゲームとかドッキリとかは会社で働いていたらする事ないからな。でも遊んでるってやっぱ言う人がいるんだよな...」

確かにそう言う人もいるよね。

「でも、私は編集とか大変そうって思うよ。」

私はただ遊んでいるんじゃないって知っている。

「ありがとな。」

えっ。素直にありがとうって言われたら恥ずかしいじゃん。

「としみつが素直なんて明日槍でも降りそうだね～」

「おいっ！」

「さあ、もう帰ろうかな。」

すっかり空は暗くなった。

「えーじゃあ家来る？」

としみつがそんな事を言う。

「え...じゃあ行く！着替え取って来てから行く。」

「じゃあ一旦バイバイ。」

一回家に帰るなんて面倒だし、このまま家でご飯を食べて寝たら良いでしょ？って思ったと思うけど、何故か1人寂しいから泊まりたかった。変かな？

昔はあんなに避けてたのにね。人生は不思議。