仲直り大作戦 ページ23
「よし、一応洗濯機に入れた」
としみつはそう言ってリビングに戻ってきた。
私は、気になる事がある。この借りた服は一体いくらするのか。
「ねえ、としみつこの服いくらしたの?」
「えっと、Tシャツが3万でズボンが1万7000円くらいだったはず。」
「ええ!?」
めっちゃ高いやん。こんなの簡単に貸すって事はお金持ちだ。
「え、そんなに驚く事か?それより何であんな雨の中いたんだよ?」
「それはね...」
言える限り全部話した。心のモヤモヤが少し消えたような気がした。でもとしみつが嫌いと言うワードは本人を目の前にして言う事が出来なかった。それに今は、もう嫌いではない。
「まさか、Aを車に乗せた時盗撮されると思わんやん?盗撮許せん。」
としみつはお怒りのご様子。
「あと、1つ気になるんだけど。何でさその友達に嘘ついたんだ?」
そりゃそうなる。何で嘘ついたのかは自分でも分からない。
「自分でも分からないの。」
「なんだそれ。まあとにかく謝られば良いと思う。」
「え...でもなあ」
「謝ったらないとずっとこのままになると思う」
ど正論を言われた。
「...謝る。けれど不安...」
華子をあんなに怒らせてしまったのだ。不安でしかない。
「じゃあさ、俺もついて行こうか?」
としみつが急にそんな事を言い出した。
「え!何で?」
「いや...Aをこんな目に合わせた俺にも責任があるんじゃないかって思って。送って行ったの俺だしな」
何でそんなに私に優しくするんだろう。
「いやいや、としみつは悪くないよ!助けてくれたんだし。むしろ、ありがとう。」
「何、照れるやん。....ま、まあ友達が東海オンエアファンなら俺も行った方がすぐ解決できそうやし。」
としみつがまた顔を真っ赤にして言う。
よく分からないな。人の感情を読み取るのは勉強よりも難しいと思う。
「うん。でもなあ...そうだ!良いタイミングで電話するからそれで来てくれる?」
流石に初めっからとしみつと2人で謝りに行ったら更に誤解されそうだからね。この方法なら大丈夫だと思う。
「あ、了解」
ニコッととしみつが笑う。
また心拍数が上がる。なんだろうこの気持ち。
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、 - 注意が色々とあるようですが、まずルールをちゃんと守りましょう。オリジナルフラグちゃんと外して下さい。違反行為です (2018年8月23日 19時) (レス) id: f266492ea2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つきうさぎ | 作成日時:2018年8月23日 19時