第二話 彼女視点 ページ2
十二月十三日 (木)
「おーい!しぃ!!」
お父さんが呼んでいる。今日はウララー君とのデートなのに……
「はーい。いまいくー」
私は、自分の部屋からでて、階段を駆け降りた。
ホントこの家って無駄に広いのよね。
「なーに?」
お父さんが居る、リビングに顔を出すなりお父さんは怒った顔で言う。
「今日、あのどこの馬の骨ともわからない香具師とデートだろ?」
お父さんは相変わらず古い。今のねらーでも香具師とか使う人、滅多にいないのに……
「ウララー君は私の彼氏で……」
「それも、俺は彼氏と認めてねーじゃねーかゴルア!!!」
なによ。お父さん。そんなのお父さんが決める事じゃないでしょ。
「もうわかったわよ!!行ってきます!!!!」
そういって私は家を飛び出た。
「ウララー、ねえウララー!聞いてる?」
もう。すぐにウララー君は妄想にはいる。
そもそも、なんで商店街でデート?ムードがないじゃないの。
「わかってるんだからな。アイツがでたんだろ?」
そうよ。聞いてるんだったらちゃんと言いなさいよ!
「うん、あの有名な殺し屋!!」
私は、わくわくしつつ答える。一応これでもあの殺し屋のファンだからね。
「でも、なんでお前がそんなにわくわくしてんだ?」
「え?わかるでしょ?」
わかんないの?しょっちゅう学校で話してるじゃないの。
「……僕は超能力者じゃないんだからな」
ったく。これだからウララー君は……しかたない。
「もう、しょうがないわね。あのね――」
どこからともなく、ピリリリリというケータイの機械音がなる。
「ちょっと待ってて欲しいんだからな!!」
え?ああ。ウララー君のケータイの音ね。
その途端、ウララー君は転んでしまった。
ドテン
そんな音がふさわしい転び方をした。ああ、もう見てらんない……
「ちょ、大丈夫?」
まあ、とにかく。私は、あんな転び方をしたウララー君が心配になったので急いで後を追う。
だけど、既に見失い、どこに行ったのか分からなくなってしまった。
……待つ事十分ほど。
やっとウララー君に会えたと思ったら
「ごめん、今日、大事な用ができたウラ!また明日!!」
っていうし……家に帰ったら帰ったらで
「こんな遅くまで何してんだ!!!」
ってお父さんに叱られた。出てから三時間ほどしかたってないよ?
はあ〜あ。こんなデートはいやだな〜。もうやんなっちゃう。
お父さんは警官だし、おかあさんはいないし。
ウララー君はいいな〜。
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作者名:のあ猫 | 作成日時:2012年11月25日 11時