▽ ページ39
・
そして___引越し当日の朝
善「やだぁぁぁぁぁ!やっぱり離れたくないよぉぉぉぉぉ」
善逸は大泣きしていた
「コラ善逸!!いい加減泣き止まんか!」
善「いやだぁぁぁぁぁぁぁ!!」
彼のおじいちゃんに怒られてもずっと泣いていた
『善逸…』
彼の泣いてる姿を見て心がズキッと傷んだ
私も泣きたいけど___泣いたら彼を困らせちゃうかもしれないと思ったから
私は泣かなかった。我慢した。
でもやっぱり時間は止まってくれなくて
「善逸と仲良くしてくれて…どうもありがとうございました」
とうとうお別れの時間がやって来てしまった
「いえいえ、こちらこそ娘と仲良くしてくれて…」
お母さん達が話してるときも、善逸はビービー泣いていた
『善逸…?』
私は、彼の隣に行った
「Aぢゃあああん…寂しいよぅ…」
涙声になっていて、あまり上手く聞き取れなかった
『大丈夫だよ善逸…きっとまた会えるから』
私も寂しいのに、寂しいって言えなかった
とことん素直になれなかった
私が背中をさすると、彼はぐすんと言いながらも少し落ち着いた
「それじゃあ…善逸、行くぞ」
お母さん達が話し終わったみたいで、本当にお別れの時間が来た
善「…うん」
彼が車に乗り込もうとしていた
『…善逸!!』
私が大声で彼の名前を呼ぶ
『バイバイ!また会おうね!』
大きく手を振ってみせると
善「Aちゃん、バイバイ!」
少し涙目だったけど___笑って大きく手を振ってくれた
車のエンジン音が鳴ると
そのまま___走って行った
車が見えなくなるまで、私はずっと目に焼き付けた
彼の笑顔が___頭から離れなかった
5人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミユモン | 作成日時:2021年10月24日 21時