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稲垣Aの名前を聞いた瞬間、周りがざわつく。
「え、え、稲垣Aってハコラビ出てた…?」
『あ、そうですね。』
「○○って雑誌の稲垣Aちゃん?」
『その稲垣Aです。』
「え、ヤバ…」
「私ファンなんだよね…!」
「サイン貰えるかな…」
「え、私も欲しい!」
みんなからの視線を受けながら普通に伊藤さんは座り込んだ。
すごい…やっぱり、注目されることに慣れてるんかな…
他の人の自己紹介に笑顔で拍手する伊藤さんは、
年齢の割にすごく大人びて見えた。
自己紹介が終わり、スタッフさんから軽く説明を受ける。
ななたち地方組はホテルに泊まるらしい。
『西野さん…同い年やったんですねw』
「そうなんですwなな、高校2年生で…」
『後、やっぱり関西の人やったんですね。関西弁っぽかっt「Aちゃん!」』
その瞬間、伊藤さんがたくさんの女の子に囲まれた。
弾き飛ばされて驚きながらその集団を見つめる。
「私、Aちゃんのファンで…良かったらサインください!」
「ねえずるい!私が1番だから!」
「私サインじゃなくて握手して欲しい…!」
「あ、私も私も!」
『あ…えっと。』
伊藤さんは少し押されている雰囲気だった。
…あんなに言われたら、さすがの伊藤さんも対処しきれへんって。
「はーいストップストップ〜…困ってるから、やめてあげよ?
もう伊藤さんだし。稲垣Aの扱いするのも、違うんでない?」
声のする方を見ると部屋の隅から3人の女の子たちが歩いてきた。
ショートカットの女の子は周りの女の子を説得させたらしい。
不服そうに帰ってったけど…伊藤さんは助かったみたい。
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作者名:そら | 作成日時:2022年10月1日 16時