歌い手さんたちの恋愛事情

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「なるせ、」

な「ん…」

「私なるせのこと大切だよ」

な「…」

「だからちゃんと真剣に考えて答えを出したいの」

な「うん、」

「だから…もうちょっとだけ、待っててくれる？」


このまま答えを出さずに先延ばしにしてたら
なるせも飽きてもういいやってなってしまうかもしれない

それが怖くて保険をかけるようなことを言ってしまった
そんな自分が嫌になる


な「待つ、いくらでも待つ」

「…ありがと」

な「Aに片思いしてたこの9年間に比べたらあっという間だよそんなん、よゆー」

「それもこわいね」

な「え」


9年間て…
めいちゃんが言ってたのは本当だったんだ…

…あれ？でもなるせ
彼女出来たりしてたよね？


「嘘じゃん！」

な「っえ、え？なにが？」

「なるせ彼女いたじゃん！」

な「…いや、それは」

「うそつき！騙されない！」


嬉しかったのに
傷付いて、身勝手に過去にヤキモチ妬いてるの

…私めんどくさ


な「いや違うってあれは、お前も彼氏出来た時やん…」

「え？」

な「Aに彼氏が出来る度に、Aのこと忘れようと思って…
でも忘れられる訳なくて結局9年も片思いしてんだよ」

「…」

な「拗らせてんだよ…言わせんな」


きゅうううん

じゃなくて

ぼそぼそと恥ずかしそうにそう言うなるせが可愛くて
上を向いて顔見ようとしたら「見んな」って手で目を塞がれた


な「もう寝ろよお前」

「ふふ」

な「にやけんな」


そう言うなるせもにやけてんじゃん

私の目を塞いでた手はそのまま頬に移動して
ゆっくりと優しく撫でた


な「おやすみ、だいすきだよ」

「…ん」


なるせの綺麗な顔を見つめてたら優しく微笑まれて
急に恥ずかしくなりなるせの首元に顔を埋めた

ちゅ


……え？


な「っおま…大胆すぎ」

「ち、ちが！う！違う！！」


なるせの服の首元がはだけてたせいで
引っ付いた勢いで鎖骨の辺りにキスをしてしまった

完全に事故です、故意じゃないんです
私は無罪です


な「ちょっと、まずい…なるせのなるせが」

「はあ！？ばか！変態！あっち行け！」

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