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you side
「陣くん…!」
陸さんとお話してたところ申し訳ないけど
思い立ったら即行動
翔吾くんにも背中押されたから
陣「かえで…」
陸さんが陣くんの肩をぽんっと叩いて
陣くんの隣を離れていく
陣くんは、私にかける言葉を探しているみたいで
ずっと口元がもごもご動いてる
「陣くん」
陣「お、おう。あ…お、おかえり、かえで」
途切れ途切れに話す陣くん
どうしよう
久し振りの陣くんが
何も変わらない陣くんが
少し動揺している陣くんが
「好き」
無意識で零れた本音
陣「…え、」
またアホ面して驚いてる陣くん
そんな姿にも何故か愛おしさが溢れて
自分でも訳が分からない涙が出てくる
「好きだよ、陣くん。ずっと好きなんだよ。自分でいなくなったくせに、ずっと会いたくて、でも甘えたくなかったから…!」
そこまで言って言葉が遮られる
感じる温もりと共に
嗅ぎ慣れた香水に混じった
優しい陣くんの匂い
懐かしい、昔から変わらない
陣くんの匂い
今、陣くんに抱きしめられてるんだ
.
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作者名:右頬笑窪 | 作成日時:2020年5月13日 20時