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「灰谷さん!最近一緒に帰ってる彼は彼氏!?」
「えっ?いやいやいや……!全然……違います…!」
三途さんは髪の毛以外も背が高いとか、顔が整ってるとかですごく目立つ人で
おまけに、会社の前で待っているから誰を待っているのだろうかという噂が最近あったらしく、私と一緒に帰る場面を幾度となく見た人がいて
遂に灰谷さんにも春が来たのかという疑惑が浮上していたらしい。
三途さんが迎えに来てくれるのは未だに謎で、私自身よく分かっていないから説明もできなくて困ってしまう。
「えー?毎日帰ってるのに?」
「帰る時間になると、いらっしゃって……」
これ以上は本当に何も分かっていない。
本当に、三途さんのことは分からないことだらけなのだ。
同じ歳の少し怖い人、三途さん、ということしか分からない。
あとは、兄と仲が良くない。ということだけ。
「……!Aー!」
「え?あれ?竜胆くん?」
今日会社の前で待ってたのは三途さんではなく竜胆くんだった。
寂しい、とか、そんな感情を持ち合わせるほどに親しくないはずなのに何故か残念だと思ってしまう私がいて不思議な気持ちになる。
「そ!久々に早く終わったし、一緒に帰りてぇなぁって!」
「そうなんだ…!スーパーに寄ってもいいかな?」
「おう!行こーぜ」
もしかして、三途さんと帰っているのが2人にバレてしまったのかと思ったけれど会話は特にいつも通りで
蘭くんが仕事中なのに意地悪してくるとか、今日は私と帰ると自慢したら笑顔で拳骨されたとかそういう話でいっぱいだった。
「お肉と……野菜と……」
「今日何作んのー?」
「カレーだよ!」
「っしゃ!早く帰ろーぜ!」
そう言いながら私の手を絡めて繋ぐ竜胆くん。
この繋ぎ方は好きな子とするものじゃないの?と高校の時に聞くと、Aのこと好きなんだから良くね?って返されてそれ以上は何も言えなくなったのを思い出しながらレジに向かうと
見覚えのある髪の毛の色と髪型の人がいて
一目で三途さんだってわかった。
声をかけたかったけど竜胆くんがいる手前かけることが出来なくて
こっち向いてくれないかなぁなんて思うと
「っ……」
目が合ったのに、冷たくて無機質な目で私を見るとすぐ逸らしてしまった。
竜胆くんと一緒にいるからなのかその目の真意は分からない。
「A?俺らの番」
「あ、ご、ごめんね」
「ボーッとしてるAも可愛いけど、大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ…!」
今は、夜ご飯のことよりも、竜胆くんの可愛いって言葉よりも
三途さんの事で頭が埋まってしまう。
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マニ。(プロフ) - もむさん» ✉️。この作品凄く面白いです! (1月14日 11時) (レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - じろにゃん★さん» ありがとうございますー!!!頑張りますね!これからもよろしくお願いします!! (1月10日 22時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - うさこさん» あぁぁぁぁぁ……!ありがとうございます!!そんな!嬉しすぎる……!本当にありがとうございます!お返事遅くなってしまいすみませんでした……!!!続き頑張ります!!これからもよろしくお願いします!!! (1月10日 21時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
じろにゃん★ - 続きを楽しみにしてます! (1月8日 16時) (レス) id: 2ad09e2f31 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ - 完璧すぎる…(;;)続き待ってます(´;ω;`)!! (1月5日 22時) (レス) @page48 id: d68f8df98a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もむ | 作成日時:2023年10月24日 13時