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冷静に考えて私は何をしているのだろうか。
いくら悲しくても平手打ちは無かった。自分自身の勝手な悲しい感情だけで人様の頬を痛くするなんて
「Aー?それ、砂糖だけど。味噌汁に入れる気?」
「え?あ、ご、ごめんなさい…」
「別に怒ってねぇけど、なんかあった?蘭ちゃん聞いてやんよ?」
「実は____」
三途さんの頬を叩いてしまったことを話すと、蘭くんはその場で大爆笑し始めた。
流石蘭ちゃんの妹♡とか言いながら。
「いい子いい子。三途が悪ぃし。俺の可愛いAにお兄様のアポも取らずに会いに行ってるなんてよ」
蘭くんは竜胆くんにはこの話しないでと、うるさく騒ぐ未来しか見えないからと私に告げると、私をフワッと抱っこしてソファに腰掛ける。
まだご飯できてないから邪魔しないでと言っても蘭くんは今日は休み。と言いながら私の頭を撫でる。
蘭くんは、私が小さい頃からこうだった。
私が酷く落ち込んでいたりすると今日は何もしなくていいからと言って抱っこをしながらずっと頭を撫でててくれる。
きっと、蘭くんなりの励ましできっとまだ蘭くんの中で私は幼い子どもなのかもしれない。
もう25なのに。
「三途さんに、謝らなきゃ…痛かっただろうし…」
「蘭ちゃんが言ってやるから、Aはいいよ」
「…蘭くん言わないもん」
「三途に会わせたくねぇの、蘭ちゃんの言うこと聞けるだろ?」
私が謝らないと意味ないよ、そう言おうとした時
「ちょ…兄貴…!そこ代われよ!ずるい!俺もA抱っこしてぇし!」
「チッ…うるせーの帰ってきた」
「聞こえてんよ?にーちゃん」
「あー、折角のAタイムだったのに」
竜胆くんが帰ってきてこの話が有耶無耶になってしまった。
私は三途さんが2人とおなじ仕事をしていることだけは分かったけれど
何せ私は2人の仕事場を知らないから三途さんに直接逢いに行くことも出来なければ
謝ることも出来ない。
兄を尾行するしか手は無いと思うけど、私の行動はGPSで筒抜けになっているからそういうことも出来なくて
私になんか二度と会いたくないと思うけど、謝るだけ謝りたいと願いながら寝たのが良かったのか
三途さんのただの気まぐれなのか
「よぉ」
それとも、私は三途さんの言葉通りスクラップにされてしまうのか。
彼は昨日と同じ場所で、スマホを眺めながら立って私に声をかけた。
謝るチャンスを神様がくれたのだと、早く謝らなきゃと思っていると
「送る」
一言そう言うと、昨日と同じように私の家の方向に
昨日とは違って私の歩幅に合わせるように歩き始めた。
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マニ。(プロフ) - もむさん» ✉️。この作品凄く面白いです! (1月14日 11時) (レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - じろにゃん★さん» ありがとうございますー!!!頑張りますね!これからもよろしくお願いします!! (1月10日 22時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - うさこさん» あぁぁぁぁぁ……!ありがとうございます!!そんな!嬉しすぎる……!本当にありがとうございます!お返事遅くなってしまいすみませんでした……!!!続き頑張ります!!これからもよろしくお願いします!!! (1月10日 21時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
じろにゃん★ - 続きを楽しみにしてます! (1月8日 16時) (レス) id: 2ad09e2f31 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ - 完璧すぎる…(;;)続き待ってます(´;ω;`)!! (1月5日 22時) (レス) @page48 id: d68f8df98a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もむ | 作成日時:2023年10月24日 13時