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俺の女になれ事件は、竜胆くんが怒って彼の胸ぐらを掴んだところで冗談だと言ってなんやかんや収束した。
____と、思っていた。
「よぉ」
「…イカレピンクさん…?」
「次その呼び方したらスクラップ」
「ごめんなさい…でも名前がわからなくて…」
今日も一日頑張ったなぁと、あとは帰るだけだと思って会社から出ると
見覚えのある綺麗なピンク髪の、昨日まさに一緒にいた人が居て思わず声をかけてしまった。
名前がわからなくて、蘭くんも竜胆くんもイカレピンクって呼んでいたからその情報しかないと思ってそう呼ぶと彼は少し機嫌が悪くなってしまったのか私を黙って睨む。
暫くすると、はぁ…と溜息をついて
「三途」
「え?」
「名前、三途」
「あ、は、はい…!三途さん…!」
名前を教えてくれて、私がきちんと三途さんの名前を呼ぶと少し機嫌が直ったのか行くぞと言って私の家の方向に歩き出す三途さん。
____全く状況が読めなくて、意味がわからない。
蘭くんと竜胆くんが迎えをよこしたとは考えにくい。
なぜなら、男の人なんか絶対に選ばないからだ。
直接迎えに来てくれるか、他の人が仮にあった場合でも連絡は必ず入れてくれるはずで
そう考えると、三途さんは誰にも頼まれていないのに私のところに来た。ということになる
____なんで?
きっと三途さんに会うのは昨日で最後だと思っていたのに。
三途さんが私に会いに来る理由がわからない。
「三途さん…」
「あ?」
「えっと、あの、なんで…」
私が困った顔をするのが楽しいのか、への字口に下がっていた口角を一気に上げて私の目線と同じになるように顔を下げる。
「昨日言っただろ、俺の女になれって」
「それ、冗談だって昨日…」
「そう言わねぇとアンタのシスコン兄貴めんどいし」
「き、昨日出会ったばっかりで…!お互いのこと、何も知らないのに…!」
「いーんだよ。シスコン兄弟に勝てればなんでも」
「え?」
要すると、三途さんは普段から兄達にからかわれることが多く、かなり怒りの感情が溜まっていて
昨日のことで兄たちがシスコンだということが判明。
私を兄たちから奪ったらダメージを与えられる!ということで
やっぱり私はどこまで行っても、灰谷兄弟の妹。
私を私として見てくれる人なんていなくて
こんな形でしか、他の人に必要とされなくて
「…は?」
「…兄妹揃ってすみません。兄には言っておきます。こういうのは、やめてください」
虚しくて、悲しくて。
この人が危ない人とか全部忘れて、私は三途さんを平手打ちしていた。
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マニ。(プロフ) - もむさん» ✉️。この作品凄く面白いです! (1月14日 11時) (レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - じろにゃん★さん» ありがとうございますー!!!頑張りますね!これからもよろしくお願いします!! (1月10日 22時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - うさこさん» あぁぁぁぁぁ……!ありがとうございます!!そんな!嬉しすぎる……!本当にありがとうございます!お返事遅くなってしまいすみませんでした……!!!続き頑張ります!!これからもよろしくお願いします!!! (1月10日 21時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
じろにゃん★ - 続きを楽しみにしてます! (1月8日 16時) (レス) id: 2ad09e2f31 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ - 完璧すぎる…(;;)続き待ってます(´;ω;`)!! (1月5日 22時) (レス) @page48 id: d68f8df98a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もむ | 作成日時:2023年10月24日 13時