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外で話すのが嫌だと言う彼に連れてこられたのは
かなりガラの悪い人が経営してる喫茶店みたいなところだった。
お客さんはほぼ居なくて、私と彼の二人きりと言っても過言では無い空間に
何も頼んでいないのに私のところには紅茶、彼のところには珈琲が置かれた。
「あ、あの…私頼んでないですよ…?」
恐る恐る置いてくれた店主にそう聞くと、店主は怖い顔つきのままサービスだ。と言ってまたカウンターに戻ってしまった。
私は寄り道をするタイプではないので、名目上だけ持ち歩いている財布には微々たる金額しか入っていなく折角のサービスならと、ありがとうございますと言ってから紅茶に口をつけた。
「で?俺とあんた、初対面だよな」
「え、えっと…」
私はあの日のことを一生懸命説明すると、目の前の彼は難しい顔をして覚えてねぇ。そう一言言った。
彼曰く、むしゃくしゃしている時の記憶はないのだと言う。
だけど、私からしたら助けてくれた恩人で、お礼を言いたかった人だからと深々頭を下げて
「ありがとうございました…」
そう伝えていると
一際大きい音を立てながらドアを開ける音がして思わず見てしまうと、見覚えのある2人組の男の人がこちらに近づいてきた。
「何、人の可愛い妹とお茶してんのかな?イカレまつげ」
「兄貴、ドア弁償しろってマスター怒ってんぞ」
「蘭くん…?竜胆くん?」
蘭くんが机を思いっきりグーで殴ったせいで机にはヒビが入ってしまっているのに
目の前の彼は、何も怒っていないかのように涼しい顔しながら珈琲を飲んでいた。
「A、ダメだろ?勝手に違う道で帰って、こーんな悪い男に着いて行ったら」
「ら、蘭くん…!違うの…!」
蘭くんが今すごく怒っているのがわかる。
私が悪いのに、この人のせいじゃないのに
蘭くんが怒りの矛先を向けているのはこの人へだ。
「灰谷兄、俺はお前の妹にナンパされたんだけど」
「え?」
「「は?」」
誤解が誤解を産んで事実からどんどんかけ離れそうになって
私が蘭くん達に事の経緯を全部話すと、蘭くんは落ち着いてくれたのか私の頭を優しく撫でてくれた。
「…はぁ、竜胆、お前のせいだぞ」
「うっ…だって…こんな野郎に…関わらせたくねぇじゃん…!」
「うわシスコンかよ…」
「…ったりめーだろ…!Aは天使なの!可愛いんだよ!イカレピンクに誰が好き好んで関わらせるかっつーの!」
この一言で彼の怒りスイッチに触れてしまったのか
「おい女、今ここで、俺の女になれ」
なんて、誰も予想ができない展開になってしまったのです
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マニ。(プロフ) - もむさん» ✉️。この作品凄く面白いです! (1月14日 11時) (レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - じろにゃん★さん» ありがとうございますー!!!頑張りますね!これからもよろしくお願いします!! (1月10日 22時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - うさこさん» あぁぁぁぁぁ……!ありがとうございます!!そんな!嬉しすぎる……!本当にありがとうございます!お返事遅くなってしまいすみませんでした……!!!続き頑張ります!!これからもよろしくお願いします!!! (1月10日 21時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
じろにゃん★ - 続きを楽しみにしてます! (1月8日 16時) (レス) id: 2ad09e2f31 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ - 完璧すぎる…(;;)続き待ってます(´;ω;`)!! (1月5日 22時) (レス) @page48 id: d68f8df98a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もむ | 作成日時:2023年10月24日 13時