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肝心な時にとっさに動ける人間と居ない人間がこの世には存在する。
臨機応変に、頭は冷静な人がきっと前者なのだろう。
＿＿＿＿私は？
私は後者だ。
｢春……千夜……さ……ん？｣
苦しそうに横たわっている彼の隣で腰を抜かしながら早く119番を。
と脳がそう言っているのに、私が今見えている景色も何もかもがスローモーションにしか見えない。
当然私の手も遅すぎる速さでしか動かせなくて早く動いてよと私は私を責めたて、急かしてしまう。
｢い、や……ぁ、春…さ…やだっ……！｣
やっと繋がった電話のコールが永遠のように感じて頭の中がグルグル回ってしまって気持ちが悪くなる。
上手く息ができなくて、奥の方から聞こえてくる声に必死に声を届けた。
もう、自分が何を言っているのかも分からないまま、考えるよりも先に口が動いて
気がつけばもう、それから音は聞こえなくなっていた。
｢っ……あ……痛ってぇ……うわ、ﾔﾍﾞｪ……｣
そう言って私の方を一瞥すると、春千夜さんは笑顔を浮かべて
走馬灯か？とそう告げると、赤く染っている手を私の頬に添えて引き寄せる。
少し冷たい彼の手に不安と心配な感情がグチャグチャに混ざるようなそんな感覚で、私は手を添える。
汚れるとか、そんなことは何も考えていなかった。
私の体温を全てあげるからどうか生きて欲しい
私が冷たくなってもいい
だから、この人だけは助けてくださいと口を軽く噛みながら神頼みしていると
｢……っ……ん……夢ん中くらい、好きに、しても、罰当たんねぇ……だろ｣
柔らかい間隔が唇にして、驚いて目を見開いた時にはもう
ぐったりと目を瞑ってしまっている春千夜さん。
私を誰かと勘違いして、したのか
それとも、私としたくてしてくれたのか
真意を聞きたくても聞けない。
｢寝たら駄目ですっ……！春千夜さ……！私……まだ何も……｣
何も言えていない。
何も伝えていない。
あなたから貰った優しさを、私は返せていない。
｢どいたどいた、お姉さん｣
｢え……？｣
｢あーあー、派手にやられちゃって三途｣
そう言うと私の膝の上にいた春千夜さんを簡単に担いでしまう見知らぬ黒髪の人。
私が呼んだ救急車も意味が無いみたいに、乱暴に春千夜さんを車に入れる様子を見て私は思わず叫んでいた。
｢あ、の！私、着いて、行きたいです…！｣
そんな展開をも読んでいたのかのように
黒髪の彼は笑って、どうぞ？と車に私を乗せた。
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マニ。(プロフ) - もむさん» ✉️。この作品凄く面白いです！ (1月14日 11時) (
レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - じろにゃん★さん» ありがとうございますー！！！頑張りますね！これからもよろしくお願いします！！ (1月10日 22時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - うさこさん» あぁぁぁぁぁ……！ありがとうございます！！そんな！嬉しすぎる……！本当にありがとうございます！お返事遅くなってしまいすみませんでした……！！！続き頑張ります！！これからもよろしくお願いします！！！ (1月10日 21時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
じろにゃん★ - 続きを楽しみにしてます！ (1月8日 16時) (レス) id: 2ad09e2f31 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ - 完璧すぎる…(；；)続き待ってます(´；ω；｀)！！ (1月5日 22時) (レス) @page48 id: d68f8df98a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もむ | 作成日時：2023年10月24日 13時
