43 三途春千夜side ページ43
「あー、全然帰れねぇ……キメっか」
「程々にしろよ、お前止めんの俺なんだから」
「うっせ、マイキーが俺だけを頼りにしたと思ってたらよォ九井も一緒かよって思った俺の気持ち考えろカス」
「うわぁ、めんどくせ。つーかアンタ、灰谷妹の為にソレ辞めてたくせに良いのかよ」
マイキーが直々に電話をくれることのなかった俺は舞い上がって好きな女に何も説明しないまま1週間が過ぎていた。
好きな女にも会えねぇ、ターゲットが動かねぇから生け捕り出来ねぇ。
そんな中でフラストレーションが貯まらない訳もなく、長らく手を出してなかったソイツに手が出そうになる。
考えたら会いたくなるし触れたくて仕方なくなるから考えなかったのに
畜生九井のせいだ。
今何してんのとか、仕込んでるGPSさえ見れば居場所は特定できるのにAのことを考えちまってんだから。
「……萎えた。テメェ責任取って俺のご機嫌取れ」
「無理、遠慮しとく。指一本無くなりそうだし」
「1本で足りると思ってんのかよ」
「ワー、コワーイ」
戻った時に、もし俺以外の男がAの隣にいたら真っ先に存在を消そう。
そんなことを考えながら過ぎていく時間だけを過ごしていると
「三途」
「言われなくても見てたっての」
やっと1週間九井地獄から開放される兆しが見えた。
さっさと片付けて会いたい。
昔なら、さっさと片付けてマイキーに褒めて貰いてぇ。それだけの衝動で動いていた俺の優先度はいつの間にか変わっていた。
マイキーは悪として、カリスマ性も何もかもを備えている俺の王様。
それが変わることは無い。
「んじゃ、後始末はお前に任せっから」
「ハイハイ」
何も考えずにタクシーを呼んでスマホで誰かさんの位置を確認する。
こんなに空が暗いのに、1人で外ほっつき歩きやがってという怒りは
会えるという嬉しいという感情には勝てないようだ。
「オッサン、ここでいい。釣りも要らねぇから。」
Aが歩いている後ろにタクシーを停めて同登場しようか迷いながら後ろをつけて歩く俺。
こういうのを俗に言うストーカーというのでは無いかなんて悩んでいる俺が俺らしくないと
「こんな時間に1人で外出んな危ねぇ」
そう声をかけて後ろから抱き寄せた。
ふわっと香るのは紛れもなく好きな女の匂い。
それだけでどんな薬よりもキマれるわ、マジで。
「…春千夜…さん?」
「俺以外の誰にこんなこと許してんだテメェ」
遠慮がちに聞くAにそうだと言えば言えばいいことくらい分かっている。
そう言えない俺も受け入れて、A。
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マニ。(プロフ) - もむさん» ✉️。この作品凄く面白いです! (1月14日 11時) (レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - じろにゃん★さん» ありがとうございますー!!!頑張りますね!これからもよろしくお願いします!! (1月10日 22時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - うさこさん» あぁぁぁぁぁ……!ありがとうございます!!そんな!嬉しすぎる……!本当にありがとうございます!お返事遅くなってしまいすみませんでした……!!!続き頑張ります!!これからもよろしくお願いします!!! (1月10日 21時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
じろにゃん★ - 続きを楽しみにしてます! (1月8日 16時) (レス) id: 2ad09e2f31 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ - 完璧すぎる…(;;)続き待ってます(´;ω;`)!! (1月5日 22時) (レス) @page48 id: d68f8df98a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もむ | 作成日時:2023年10月24日 13時