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「ら、蘭くん…その辺にしてあげようよ…」
「Aは優しいなぁ。良かったなマツゲ?でもこの不届き者に蘭ちゃん直々にお仕置してるだけだから、心配しなくても平気平気♡」
見るに悲惨なことになっている春千夜さん。
ボロボロで疲れ果てながら、目にクマを作りながらも朝日に照らされてゲームコントローラを握らせられている。
A、シンデレラタイムが過ぎちまったら大変だろ?早く寝よーな?と蘭くんに言われたのは8時間前の22時。
兄が登場したあと春千夜さんは首根っこを掴まれて家まで連行されたのだ。
ここまで来れば言わずもながら、蘭くん流お説教の朝までゲームコースが始まってしまったのだ。
もう1人の兄、竜胆くんは帰ってくるなり何かを察して長男に加勢をしてしまう。
そんな光景にデジャヴを感じながら私は心配でお客様用の布団をリビングに引っ張って監視をするように横になるといつの間にか眠ってしまっていたようで
____現在6:00。
まだゲームをしていました。
「A、お前の兄貴…バケモンだろ」
「ん?俺の可愛い可愛い妹にキスしようとしてこの程度で済んでんのを感謝するところだろ?はい、もう一戦」
「まっ、待って、蘭くん」
聞き捨てならない事を耳にしたばっかりに、テレビに映る"もう一度遊ぶ"という文字を押してしまう前に蘭くんの腕を掴んで止める。
私があまりにも必死だったからか、蘭くんはすごく満足した顔で私を抱きしめる。
____ドキドキは、しない。
「き、キスってなんのこと?」
「は?」
「え?A何言ってるの?」
兄妹なのだから、当たり前だということは分かっている。
だけど、私はそういうことを言いたいのでは、無い。
春千夜さんへの好きと、兄達への好きは明確に違うということが分かってしまったんだ。
今までの不確定要素を確定に変えてくひとつのピースのように。
「私が勝手に目を瞑ってしまっただけで、春千夜さんはそんなことしようとしてないよ」
「…マツゲチャン」
「あ?なんだよ」
私の一言が春千夜さんを解放する一言になったのか、何故か蘭くんは春千夜さんの肩をポンポンと叩いて優しい眼を向けていた。
男の子というのは分からない。
「おい、待てA、マツゲチャンのこと名前で呼んでんの?」
「え?…うん」
女心は秋の空と言うけれど、男の子も同じでは無いだろうかとそう思うのです。
「マツゲチャンやっぱりゲームの続きしよーぜ?」
「お前の情緒どうなってやがんだ…!」
何故かと言えば、兄は直ぐに意見を変えてしまいがちだからです。
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マニ。(プロフ) - もむさん» ✉️。この作品凄く面白いです! (1月14日 11時) (レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - じろにゃん★さん» ありがとうございますー!!!頑張りますね!これからもよろしくお願いします!! (1月10日 22時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - うさこさん» あぁぁぁぁぁ……!ありがとうございます!!そんな!嬉しすぎる……!本当にありがとうございます!お返事遅くなってしまいすみませんでした……!!!続き頑張ります!!これからもよろしくお願いします!!! (1月10日 21時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
じろにゃん★ - 続きを楽しみにしてます! (1月8日 16時) (レス) id: 2ad09e2f31 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ - 完璧すぎる…(;;)続き待ってます(´;ω;`)!! (1月5日 22時) (レス) @page48 id: d68f8df98a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もむ | 作成日時:2023年10月24日 13時