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「おー……久しぶり」
「三途さ……」
花垣さんの言葉は実現すると心の底からそう思った。
なぜなら、数日会えていなかった三途さんが居たから。
私は主人を待っていた犬のように三途さんに駆け寄ると、彼は酷く驚いた顔をしていた。
私が泣きそうなほど嬉しいと思っている今の感情が顔に出てしまっているからだろうか
真実は三途さんにしか分からないけど、そんなことはどうでもいいと思えるくらい
____私は彼に会いたかった。
「Aワンコ、どーした?」
「犬は嫌ですと前に言いましたよ」
数日会っていないことを感じさせないくらいあの日の続きのように接してくれる三途さんに心臓が反応して、苦しいのに心地がいい。
兄が好きとは違う好きが、私の心をくすぐる。
もう少し一緒にいたい、このまま帰りたくない。数分の距離が今日は恨めしく感じてしまって
歩いている三途さんの服を掴むと、彼は嫌な顔をせずに私を何cmも高い身長から私を見下ろす。
「少し…寄り道をしませんか?」
「俺に会えてなくて寂しかったんだろ?お前」
冗談めかしながら私にケラケラ笑ってそう言う三途さんに、私は彼の目を見て伝われと願いながら、寂しかったですと伝えると
彼は急に黙って困った顔をした。
私はハッと我に返る。
恋人でもないのに、こんなわがままを言ってしまったと私なんか、三途さんの何でもないのに調子に乗りすぎたと思っていると
「あー、なんなのA」
「三途さ、ん……?」
三途さんは、雷が酷かった日と同じように優しく私を包むように抱きしめてくれた
力加減が分からないみたいに強くしたり弱くしたりしながら。
「うっせ。三途さん禁止」
「え、あ、でも私、三途さんの下の名前知りません。三途さんと呼べなくなると…イカレピンクさんになります」
そう言うと、そう呼んだらスクラップにしてやんよと言う三途さん。
初めてそう言われた時は背筋が凍るくらい怖かったのに
今はそんなこと思わないのは、三途さんの声が優しすぎるからでしょうか?
「春千夜」
「……綺麗なお名前ですね、三途さんによくお似合いです」
「馬鹿、名前教えてやったんだからちゃんと呼べ」
「は、春千夜さん」
「ん、もっかい」
「春千夜さん」
三途さん元い、春千夜さんは私を一旦離すと、私の頬を両手で掬うように包んで唇を親指でなぞった。
何をされるのか分からないのに、本能が知っているみたいに身体が火照り始めて暑い。
ギュッと目を瞑ると、煽んな、Aと艶のある声で囁かれると
「はーい、蘭ちゃん登場」
蘭くんが私を春千夜さんから引き剥がした
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マニ。(プロフ) - もむさん» ✉️。この作品凄く面白いです! (1月14日 11時) (レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - じろにゃん★さん» ありがとうございますー!!!頑張りますね!これからもよろしくお願いします!! (1月10日 22時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - うさこさん» あぁぁぁぁぁ……!ありがとうございます!!そんな!嬉しすぎる……!本当にありがとうございます!お返事遅くなってしまいすみませんでした……!!!続き頑張ります!!これからもよろしくお願いします!!! (1月10日 21時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
じろにゃん★ - 続きを楽しみにしてます! (1月8日 16時) (レス) id: 2ad09e2f31 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ - 完璧すぎる…(;;)続き待ってます(´;ω;`)!! (1月5日 22時) (レス) @page48 id: d68f8df98a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もむ | 作成日時:2023年10月24日 13時