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三途さんは、私が一人で行動しているとよく遭遇することが多くなった。
1人でご飯を買いに行ったり、会社のお使いに行ったり会う場所時間は様々だ。
三途さんは、私を見ると決まってよ。といつもの短い挨拶をする。
そんなことが当たり前になってきた時のある日のお昼休み。
今日は蘭くんも竜胆くんも休みだから態々お弁当を作る気にはなれなくてコンビニで済まそうと会社を出ると
「三途さん、やっぱり居ました」
「んだそれ。いねぇ時もあんだろ」
予想通り、居る三途さん。
三途さんは謎だらけだ、こんなに毎回私と会ってても彼の会社の人間は怒ら無いのだろうか。
いつも謎に時間ピッタリだったりタイミングのいい時間に会うけれど、それは兄達で慣れっこである。
竜胆くんも卒業してしまって私が最後の高校生をしている時も予告無しの短縮授業なのにも関わらず、時間ぴったりに2人が迎えに来た時もあるからだ。
それが1回なら奇跡だと思うのだろう。
1回ではなく毎回だからもう驚かなくなってしまった。
ただ、あれはどうやってしていたのか、それだけは未だに気になってしまう。
「お前、こういうの好きか」
「く、くまさんのカレーライス、可愛い…」
「ん、じゃ、行こーぜ」
「え、でも」
「黙って着いてこないならスクラップ」
脳がこの状況を理解できなかった。
今までは、こういう日はコンビニで適当に買ってそこら辺の公園のベンチで2人で食べることが多かった。
しかし、今は違うのだ。三途さんが特別好きそうでも無い可愛いくまさんカレーのお店を提案して私を連れて行ってくれているのだ。
三途さんがくまさんを好きな説もあるだろうが、その線は本当に消えてしまいそうな程に薄く頼りない線だろう。
なぜなら、彼は某カートゲームで私が可愛いからキノコの彼にしないかと提案してみても可愛いキャラとか無理と即却下されてしまったからだ。
そしてゴリラのような強そうなキャラクターを選んでいたから。
だから私はもしかしたら三途さんは、私の為に態々探してくれたのかと
今、自分の都合のいいように勘違いをすることにした。
「三途さん、ありがとうございます」
「…意味わかんねぇ、何もしてねぇぞ」
「ふふっ、私が勝手に喜んでいるだけです」
「あっそ」
そう言って口角を上げる三途さんはお世辞抜きで格好いいと思う。
三途さんはどうして私と関わってくれるのだろうか
三途さんはどんな人と仲が良くて、私以外の女の子と関わりはあるのだろうか。
三途さんを知りたくて、貪欲になる私を嫌いにならないでいてくれるだろうか。
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マニ。(プロフ) - もむさん» ✉️。この作品凄く面白いです! (1月14日 11時) (レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - じろにゃん★さん» ありがとうございますー!!!頑張りますね!これからもよろしくお願いします!! (1月10日 22時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - うさこさん» あぁぁぁぁぁ……!ありがとうございます!!そんな!嬉しすぎる……!本当にありがとうございます!お返事遅くなってしまいすみませんでした……!!!続き頑張ります!!これからもよろしくお願いします!!! (1月10日 21時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
じろにゃん★ - 続きを楽しみにしてます! (1月8日 16時) (レス) id: 2ad09e2f31 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ - 完璧すぎる…(;;)続き待ってます(´;ω;`)!! (1月5日 22時) (レス) @page48 id: d68f8df98a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もむ | 作成日時:2023年10月24日 13時