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「てんんんんんめぇー!イカレピンク野郎!離れろ!Aから!今すぐ!!!!!!!!」
「あ?…ん」
「さ、三途さ…!」
「何もっと抱きしめてんだよ!!!!このまつ毛!」
竜胆くんは、雷が鳴った瞬間に私の身を案じ全速力で帰ってきてくれた。
髪の毛は雨のせいでびしょ濡れになっているし、珍しく肩で息をしている。
そんな竜胆くんが帰宅後真っ先に見たのは私ではなく
三途さんに抱きしめられている私で、今に至る。
こめかみに青筋を浮かべて、抱きしめられている私を三途さんから剥がすと竜胆くんは私を抱きしめた。
「Aは俺のだっつーの、ピンク」
「知らねーし」
「大体!なんでお前の名前…Aが知ってんだよ!!!!」
もう隠すことは出来ないと私は竜胆くんに今までの事を話す覚悟を決めた。
なぜなら竜胆くんが、今にも泣きそうな顔で私を見ているから心が痛くてこれ以上隠し事を重ねたら私はまたこんな悲しい顔を竜胆くんにさせてしまうと、そう思った。
だから私は、竜胆くんの頬を包むように触れて私を見てと目を合わせる。
「竜胆くん、ごめんなさい、私がお話するから聞いてくれる?」
「…うん」
竜胆くんは優しい。
私が聞いてというときちんと聞いてくれる。自分がどれだけ怒っていたとしても泣きそうになったとしてもどんな時でも私の話を聞いてくれる。
私はそんな兄に甘えてしまっている。
だから今回もそんな竜胆くんに甘えて、今までの事を包み隠さずに話した。
勿論、三途さんに平手打ちしてしまったことも、全部。
「____という感じ、で…送っててもらってたの。ごめんなさい隠してて…」
「ん、兄ちゃん、今めっちゃ悲しい」
「ごめん、ごめんね竜胆くん」
竜胆くんを私の重ねてしまった嘘で傷つけてしまった
産まれてからこの方竜胆くんにも蘭くんにもずっと愛情を注いでもらってきたから私の嘘で崩れてしまうのではないかと不安になってしまった。
その愛情過多で彼氏ができない、恋ができないと嘆いては諦めてきたのに
私はかなりのワガママな人間だと認識してしまう。
私はきっと、兄たちの愛情も変わらずに欲しいのだ。
「でも、嬉しいこともあった」
「え?」
「Aが平手打ちしたのは心の底から喜んでる」
「おい、A?そのクラゲ性格悪ぃから離れろ」
「可愛いAの名前気安く呼んでんじゃねぇぞ。ピンク」
でも、私が好きになる人からの愛情も欲しくて
それを兄に認めて欲しいと、望んでしまう。
「A!?な、泣くな、な???」
「シスコン野郎が泣かせやがった」
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マニ。(プロフ) - もむさん» ✉️。この作品凄く面白いです! (1月14日 11時) (レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - じろにゃん★さん» ありがとうございますー!!!頑張りますね!これからもよろしくお願いします!! (1月10日 22時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - うさこさん» あぁぁぁぁぁ……!ありがとうございます!!そんな!嬉しすぎる……!本当にありがとうございます!お返事遅くなってしまいすみませんでした……!!!続き頑張ります!!これからもよろしくお願いします!!! (1月10日 21時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
じろにゃん★ - 続きを楽しみにしてます! (1月8日 16時) (レス) id: 2ad09e2f31 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ - 完璧すぎる…(;;)続き待ってます(´;ω;`)!! (1月5日 22時) (レス) @page48 id: d68f8df98a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もむ | 作成日時:2023年10月24日 13時