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さりげなく車道側を歩いてくれる玲王くん。
背の高い彼を見上げると、ん？と言いながら私を見るから恥ずかしくて視線を逸らしてしまう。
｢あ、きょ、今日、おめでとう｣
｢ん？何が？｣
｢誠士郎から、ゴール取れたから｣
｢すげーだろ？かっこよかったか？｣
意地悪く笑う君がかっこよくて眩しい。
心臓が爆発してしまいそうな程にドキドキして本当に私が私でなくなってしまいそうだ。
｢うん、かっこ、よかった｣
｢……あ、お、おう｣
｢玲王くんが勝つと、嬉しい、と、思った、りする｣
｢馬鹿、勘違いするっつーの｣
そう言って私の頭を撫でる玲王くん。
私は何を言っているのだろうかと冷静になる。これじゃ、君を好きだと宣言しているようなものなのに。
きっと玲王くんは知っているのに、私が誠士郎のことを好きなことを。
それでも好きだと言ってくれたのに。
私はなんて残酷なんだろうか。
でも、この本心が頭で考えるよりも先に口から出てきてしまった私を許して欲しい。
｢なぁ、手ぇ繋いでいいか？｣
｢え？、あ、う、うん｣
｢んじゃ、失礼、シマス｣
｢……玲王くん、緊張、してる？｣
そう言うと、玲王くんはピクっと動いて夕日のせいなのかそれとも玲王くん自体が真っ赤になってしまっているのか、耳を赤くしてそっぽを向いてしまった。
｢玲王くん、こっち向いて？｣
｢…A、意地悪すぎ｣
振り向いてくれた玲王くんの顔は真っ赤で少し困った顔をしていた。
いつも強気で意地悪な彼がこんな顔をするのかと思うと、失礼だけど可愛いと、そう思ってしまう。
玲王くんの、色々な顔が見たいと思うのは何故だろうか。
私だけが見ているという、優越感？
いや、違う気がする。
玲王くんのことを知りたいからだ。私が。
｢玲王くんが、いつも意地悪｣
｢んは…何？やり返してんの？｣
｢わからない｣
あぁ、ごめんなさい、誠士郎。
今私、この人の事で頭が満たされてる。
この人をもっと知りたいと思ってしまってる。
｢玲王くんは、どんな女の子がタイプなの？｣
｢はぁ？A、マジで馬鹿なのか？それとも天然なのか？｣
｢え？天然じゃない｣
｢俺の好きな女のタイプなんて、お前が1番わかんだろ？｣
そう言うと、玲王くんは緊張した様子なんてどこかに消えてしまったかのように私の手を繋いで、口角を上げる。
｢今、俺と手ぇ繋いでる女がタイプ｣
すみません、ごめんなさい。
私はどうやら、一途じゃなかったそうです。
私、玲王くんのこと気になります。
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もむ(プロフ) - 咲夜（さくや）さん» 大分お返事遅くなり申し訳ございません……！咲夜さん、読んでいただきありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (11月10日 20時) (
レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
咲夜（さくや）(プロフ) - 続き楽しみにしています。 (10月29日 18時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もむ | 作成日時：2023年10月11日 21時
