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｢ごめんなさいっ…｣
手を引かれて2人に教室に連れられて最初に発した言葉は謝罪の言葉だった。
競技に出ずっぱりで、やっと束の間の休憩だったというのに
私が喧嘩をしてしまったせいで休憩にならなかった。
｢謝らなくていいよ、A。珍しいじゃん、喧嘩するなんて。なにがあったの？｣
｢んな事で離れねぇから、話してみ？｣
それなのに誠士郎も玲王くんも優しく私の頭を撫でてくれる。
喧嘩なんてしてしまう私に幻滅したっておかしくないのに、きちんと私の話を聞いてくれようとする2人の優しさが温かく感じた。
私は自分視点の主観でしか語れなかったけれど、ゆっくり話して、話し終わって2人の顔を恐る恐る見ると
｢あー…｣
｢…それはやばい｣
2人とも口に手を添えてそっぽを向いていて
あ、やっぱり喧嘩をするような子は幻滅対象でしかないよねと自分が起こした事なんだからと腹を括ると
｢｢可愛すぎ｣｣
2人は予想の斜め上を行く言葉を私にかけた。
耳を疑うしかなくて呆然としていると
｢A俺らのこと大好きじゃん｣
｢だな。でも、怪我してたら心配すんだからなー？｣
と、私を優しく抱きしめる2人。
…大好きなんだと自覚させられる。
それが、恋愛的な感情なのか、人としてという感情なのか
まだ私には2人に対しての答えが見つかっていないけれど
それでも、私はこのふたりが好きだという事だけははっきりしてしまった。
私は抱きしめてくれたふたりが離れると、2人の手を優しくきゅっと掴んだ。
｢A？｣
｢どーした？A｣
狡い私をどうか許してください。
でも、言葉にしたかったの。
｢わ、たし、2人のこと…人として好き｣
我ながらずるい。
人としてという免罪符を付けて好きを伝えてしまったのだから。
｢えー、俺だけがいいー｣
｢俺も、俺だけがいいんだけど？｣
それでも受け取ってくれる2人に、甘えているのだから。
｢でもま、俺もAが好きだぞ？｣
｢あ、玲王抜け駆けだ。俺は、A大好きだよ｣
｢あ？俺も大好きだっつーの｣
歪なこの関係をいつまでも続ける訳には行かないことは分かっている
そして、こんなに近くにいるのに、青い監獄と言われる場所からもうすぐ招待状が来て離れてしまうだなんて
今の私には想像ができなかった。
今はただ、この2人のことが好きでそばに居たい私を許してください。
｢無理して戻んなくていいぞ？｣
｢ううん、2人のことちゃんと見たい｣
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もむ(プロフ) - 咲夜（さくや）さん» 大分お返事遅くなり申し訳ございません……！咲夜さん、読んでいただきありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (11月10日 20時) (
レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
咲夜（さくや）(プロフ) - 続き楽しみにしています。 (10月29日 18時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もむ | 作成日時：2023年10月11日 21時
