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「思ったんだけどよ、凪、お前テスト大丈夫か?」
「勉強めんどくさーい…大丈夫でしょ、多分」
テスト週間に入ってグラウンドの使用が不可になったことにより
サッカーはお休み、恐れ多くも御影家でテスト勉強会をしている。
とても恐れ多くも。
執事さんが飲み物を出してくれたり、誠士郎が寝コケそうなときはベッドまで運んでくださったり
至れり尽くせりなのですが、そんな状況を良くないと思っている人がこの部屋でただ1人
「じぃや、部屋から出てけ」
「それはなりません坊っちゃま」
ズンズンと音を立てて執事さんに近づいてコソコソ話をし始めてしまう御影くん。
私と誠士郎はここにいて大丈夫なのだろうか。
本当は迷惑なのではないか、帰った方がいいのではないかと脳内の思考が止まらない。
「A様、帰る支度などしなくても良いのですよ」
「え?で、でも…」
やがて私は思考しながら誠士郎の荷物と私の荷物を纏めていたみたいで
その手をそっと制されると優しくふわっと笑ってくれる執事さん。
御影くんの方を見ると、何故か頬をふくらませて拗ねていた。
そんな彼を私は学校で見た事がなかったからなんだか新鮮で可愛いと思ってしまっている。
「坊っちゃまの監視役として私がおります、貴方様の安全を考慮させて頂いております」
「えっ、と?えっと…よく、理解が…」
「いいのですよ、ですが、不徳のいたすところではありますが私が坊っちゃまの機嫌を損ねてしまいまして____」
「じーや、ダメ、Aは俺のAなの」
「ちょ、っと、誠士郎…!」
「おや、凪様起きていらっしゃいましたか」
いつから起きていたのか私を後ろから抱きしめる誠士郎。
ナチュラルにじいや呼びをしている誠士郎のメンタルの強さにも驚いてしまっていると
おやおやと言いながら微笑まられると恥ずかしくて仕方がない。
離してと誠士郎に頼んでも頼んだだけ沢山力を込めるから離れられなくて困っていると
「凪、離せ」
「やだ」
「離せ」
さっきまで頬をふくらませていた御影くんが私の腕を引っ張った。
どんな状況なのだろうかこれは。
女の子なら夢見る状況なのだろうか。
いや、執事さんに見られているということと人様の家で何をしているんだという理性が私に恥ずかしいぞという感情を沸き立たせてくる。
「ふ、ふたりとも、恥ずかしいから…!」
「えー?なんで?」
「恥ずかしくねぇよな?」
さっきまで2人して言い合ってたくせに
こうやって人にいじわるする時だけは、気が合うんだから本当に困ってしまう。
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もむ(プロフ) - 咲夜(さくや)さん» 大分お返事遅くなり申し訳ございません……!咲夜さん、読んでいただきありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (11月10日 20時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(さくや)(プロフ) - 続き楽しみにしています。 (10月29日 18時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もむ | 作成日時:2023年10月11日 21時