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「痛…っ…」



痛いで済んで良かった。

歩けないくらい足腫れてしまってるけど、不幸中の幸いなのか頑張れば登れそうなくらいの高さから落とされてただけだった。

けれど、私の足は腫れてるし、昼食した場所からは離れているし

大声を出したところで見つかるのだろうか。

最悪見つからないのではないかと不安になる。


こんな所にいて熊にでも遭遇したら私、ペロリと一口なんじゃないかって。


少し肌寒いのが相まって不安という感情が膨れ上がって縮こまる以外にすることが出来なかった。






「…寒い…誠士郎…」





何分経ったのか分からなくて

頭の上に水が当たる感覚がして

雨まで降ってきたって、私がそんなに悪いことをしたの?

なんで私ばっかりって

神様がいるなら、助けてよって


堪えきれなくなった私のぐちゃぐちゃの感情が目から溢れ出して来る。







「っ…いたっ…!A…!」

「…え…あ…幻…覚…?」

「んなわけあるか、馬鹿。見つけるの遅くなって、ごめんな」








純白な綺麗な体操服なハズの体操着が泥で汚れてて

縮こまって座って泣いている私を安心させるみたいに涙を拭ってくれているのは

御影坊ちゃんだ。

君のせいだぞって言いたい。

君が私に構うからって何も御影坊ちゃんは悪くないのに

責めてしまいそうになる私が嫌い。






誠士郎じゃなかったって




こんなに泥だらけになりながら探してくれていたのに、そう思ってしまう私が最低だ





「悪い、怖かったよな」

「あ、う…っ…ごめんなさ…」

「何謝ってんだよ、何も悪ぃことしてねぇだろAは」

「体操着…汚れて…」

「あん?今そこかよ、こんなん洗えばいいだろ。」






それなのにこの人はすごく優しく私の頭を撫でるし

雨で濡れてる私に自分のジャージを掛けてくれるし

あぁ、これはみんな惚れるよなって思った。






「ほら、乗れるか?」

「えっ、えっ…?」

「流石にその足じゃ登れねぇだろ」

「で、も…私…重い…ですし」

「うるせぇ、俺が乗れっつったら乗れ。それ以外は聞かねぇ」




無理矢理乗せられる形で御影坊ちゃん…御影くんに乗ると

どこが重いんだよって半笑いで言われてしまった。

…誠士郎じゃないのに、御影くんなのに

誠士郎じゃなくて少しガッカリしたのも事実だけど


御影くんの顔を見て安心したのも、事実だ。




「っ…しょっ…」

「御影…くん」

「っ…んー?」

「…見つけてくれて…ありがとう…」




だから私は素直に頭を御影くんの肩に預けてお礼を言うと






「…バカ…俺のせいだろ」




そう言って、御影くんは私をおぶったまま崖を登りきってくれた。

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設定タグ:ブルーロック , 御影玲王 , 凪誠士郎   
作品ジャンル:恋愛
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もむ(プロフ) - 咲夜(さくや)さん» 大分お返事遅くなり申し訳ございません……!咲夜さん、読んでいただきありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (11月10日 20時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(さくや)(プロフ) - 続き楽しみにしています。 (10月29日 18時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もむ | 作成日時:2023年10月11日 21時

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