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そう決意したのはいいものの、いつ伝えたらいいのか分からずに

とうとう春千夜さんが脅威の回復力で退院することになってしまった。




「あー、体訛って仕方ねぇ……」

「久々の外ですから、無理せず家に帰りますよ?」

「わーってるって。あ、そうだ」




そう言うと、イタズラを思いついたようなそんな顔で私を見てくる春千夜さん。

楽しそうな嬉しそうな、そんな顔もすごく魅力的で心拍数が勝手に上がってしまう。

好きが募って仕方がない。

告白初心者の私はタイミングもする場所もよく分かっていない。

ただ、今言うのだけは違う気がすると思って口を噤むと春千夜さんは私の前に手を差し出した。

なんだろうと、彼の顔を見ると




「なんか、手ぇ繋がねぇと歩けねぇかも。俺」

「え?」

「A限定で」



そう言われて手を出さない人間が何処にいるのだろうか。
私は春千夜さんの手に自分の手を重ねる。

ただ、私の重ね方はお気に召さなかったようで、違ぇよと言って私の手を絡めた。

これを春千夜さんとするのは初めてな訳では無いのに、私の心臓はうるさいほどに反応してしまっている。




「ん、やっとこれで歩ける」

「よかっ、たです」




私の手から私の鼓動が、私の好きの気持ちが伝わらないだろうかと心配になりながら家路に着く。

特に会話もないのに、すごく安心してしまって居心地がいい。

私がチラッと春千夜さんを見ると、丁度私の方を見ていた彼と目がバチッと合って足が自然に止まった。




「春千夜さ…ん?」

「あー、いや、何でもねぇ」




今じゃねぇ、そう言うとまた歩き出してしまった。

何かを私に伝えようとしてたのか、何が今じゃないのか分からなくて不思議が頭を満たしたけれど

詮索するのも良くないと思った私は気になる心をそっと閉まった。





「お、A、マツゲチャンおかえりー」

「ただいま、蘭くん」
「……おう」

「そこはただいまって言えっての」




家に着くと、春千夜さんが退院するというのを聞いてか2人分のコントローラーと座椅子が用意されてて

その中で蘭くんはひたすら某カートゲームをしていた。


アレだろうか、私を泣かせたからってやつを実行しようとしているのだろうか

それとも単純に春千夜さんと遊びたいのか、前者の方が有力ではあるけれど後者の可能性も捨てきれない。


蘭くんがお菓子まで用意しているなんて、相当楽しみだったことが分かるからだ。






「A、俺の膝の上おいで?今からそのマツゲを倒してあげる」

「なんで俺がやること決定なんだよ。俺の膝だろ?A」

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設定タグ:東京リベンジャーズ , 三途春千夜 , 灰谷兄弟   
作品ジャンル:恋愛
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!? - もむさん、神ですか?!!! 作品全部面白いんですけど?! (4月24日 18時) (レス) @page7 id: 37f7d05f89 (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - 朱夏さん» わぁぁぁぁぁ!ありがとうございます!めっちゃ嬉しいです!頑張りますね!これからもよろしくお願いします!!! (1月16日 22時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
朱夏 - この作品本当大大大大好きです!!更新頑張ってください‼️応援してます! (1月14日 19時) (レス) @page1 id: 4ac169a836 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もむ | 作成日時:2024年1月13日 21時

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