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「今日は、なにを……する、の?」
「あー、姉ちゃんの誕プレ。俺よりAの方が詳しそうだし」
手を繋いでいると思いますか?
答え____繋いでいません。
さすがに私のキャパシティが暴走してしまいそうだったから
差し出された手を私は繋ぐことが、触れることすら出来なくて
伸ばしかけた手を引っ込めてしまった。
もう触れるチャンスなんて無いかもしれないのに私は
自分の心が心臓が飛び出してしまってパニックになってしまうことを恐れたんだから。
「お姉さんは、何が、好き…?」
「んー、わかんねぇ」
「え?」
「なんかあげんの初めてだし」
そう言いながら飽きたみたいに髪の毛をいじっている千切くん。
私といるのがつまらないのは分かっている。
上手く今も会話を広げることが出来ない。
他の子なら、もっと
いつも周りにいる子なら楽しく会話出来たはずなのに。
折角千切くんがたくさんの女の子の中から、私を
気まぐれでも選んでくれたのに
「そして姉貴相手だと、全ッ然選ぶ気起きねぇ」
「えぇ…うーん…そ、それなら、千切くんの、好きなものをあげる、とか?」
「サッカーのスパイクになるけど?」
「だ、だめ…!」
「だろ?」
折角なら、と私がピアスを提案するとその案を採用してくれた。
ようやくプレゼントを選ぶところのスタートラインに立てた所で何件かアクセサリーを見て回った。
派手なものからちょっとしたモチーフを見て回って見ているのが楽しくて夢中になってしまうと、私はすっかり千切くんのことを置いてけぼりにしてしまっていた。
ハッとして千切くんを見ると、口角を上げて近づいてきてくれる。
「どれ可愛い?」
「あ、待っ…!」
私の肩から顔を出すように私の後ろから覗き込んでいるせいで距離が近くて心臓が飛び出しそうになる。
千切くんの息遣いすらも聞こえるくらいに近くて自分の心臓の音が直接千切くんに聞こえてしまうのではないかと、不安になってしまうくらいに
私の心臓の音は大きくて、うるさい。
「こ、この、雫の、モチーフ、可愛い」
「ふーん、んじゃ、これ買う」
「え!?」
「何驚いてんの?これ、可愛いんだろ?」
「それは私が勝手にそう思っているだけで……お、お姉さん、の、趣味に合うか……」
私がそう言っている間にも千切くんはお会計の方にどんどん進んでしまった。
私の趣味で本当にいいのかと不安になってしまう。
こういうのの場合趣味じゃないものを貰っても嬉しくないはずだからだ。
「……あれ?A?」
「え……?」
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ゆい - こんな素敵な小説初めて読みました。続きが超超超楽しみです!何だかもう生きる励みになります…🥲これからも応援してます!! (2月4日 7時) (レス) id: 2a419589a1 (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - あぽろさん» わぁー!!!ありがとうございます!!めっちゃ嬉しいです!これからもゆっくり更新することになりますがよろしくお願いいたします!!!! (1月5日 22時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
あぽろ - この小説大好きです!!キュンキュンしまくりでスクロールする手が止まりません!これからも頑張ってください!!💗 (1月4日 0時) (レス) @page13 id: 60a5994a82 (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - ちささん» ちささん!ありがとうございます!前作から……!嬉しいの極みです!!!!不定期更新で申し訳ありませんが千切の魅力、頑張って出せるように頑張ります!これからもよろしくお願いします! (12月13日 14時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - 「青春とは、恋愛である。」からきました!前作もすごく好きなのですが、なにせ千切くん推しなもので、すごく楽しみです…!現時点でもう大好きです!!更新楽しみに待ってます! (12月12日 3時) (レス) id: 3ee6d9cd32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もむ | 作成日時:2023年12月11日 23時