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「ウス、A。隣いいか」
「お!じゃあ、今日の千切くん聞きたい!」
「講義終わってからな」
「えー、今がいいー」
いつもの日課。それは潔くんか國神くんから今日の千切くん!という千切くんの様子などを聞く私命名の会である。
潔くんは最近面倒くさそうに、話しかければいいだろ?と言ってくるけど
無理なもんは無理なのだ。
浄化してパンッって消えると何度も言っているのに、消えるわけねぇーじゃんって言って信じてくれない。
潔くんは意外とコミュ力お化けなのだ。サッカーをしている人限定発動だけど。
そんな彼と、仲良くなる前は静かな人間、仲良くなってからはっちゃけるタイプの私を同じにしないで欲しい。
人見知りなのだ、私は。
「んじゃ、1個だけな」
「流石國神くん!!神の名は伊達じゃない!」
「っぷ…!んだよっ、それ…!」
今日の千切くん。
今日は髪型が中々決まらなかったらしい。どの髪型にしてもしっくりこなくて結局ミーティングの時間になっても千切くんが現れることはなく、國神くんが呼びに行ったところ
千切くんは、俺の髪型の方が重要。と言ってそのまま30分髪型と格闘したらしい。
「結局髪型は何になったの!?」
「それがよ…結局髪下ろしてたんだよ、アイツ」
「…え?待って、好き」
「おい、今のどこに好き要素あるんだよ、待たされた俺らに同情する所だろ」
「俺の髪型の方が重要。だよ?カッコよすぎない?先輩も居るのに臆することなく言うんだよ?もうカッコイイじゃんそんなの」
「千切馬鹿め」
教授が入ってきたことによりこの話は自然と終わりになった。
残り2年もこんな風に、國神くんや潔くんから千切くんの話を聞いて
毎日千切くんをそっと影から見つめて今日もかっこいいって思いながら卒業して
千切くんとの縁なんてものも全て無くなる社会人になるんだろうな、そう思っていた。
「んじゃ、俺サークル行ってくるわ」
「うん!頑張れ!今日も千切くんの話ありがとうね」
しかし変化とは、急に訪れるものである。
「國神ー…あ、悪ぃ」
「いや、大丈夫。何」
生千切くんが、話している、声を発している千切くんが目の前にいるのだ。
こんなことは1度たりともなかった。
なぜなら、國神くんや潔くんが千切くんを探しに行ったり迎えに行ったりすることはあれど
逆のパターンが発生することはあったとしても私がいない時で、タイミングが合わなかったからだ。
「いいのか?彼女」
そして終わった。
國神くんの彼女だと、好きな人に勘違いされてしまっているのだから。
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ゆい - こんな素敵な小説初めて読みました。続きが超超超楽しみです!何だかもう生きる励みになります…🥲これからも応援してます!! (2月4日 7時) (レス) id: 2a419589a1 (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - あぽろさん» わぁー!!!ありがとうございます!!めっちゃ嬉しいです!これからもゆっくり更新することになりますがよろしくお願いいたします!!!! (1月5日 22時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
あぽろ - この小説大好きです!!キュンキュンしまくりでスクロールする手が止まりません!これからも頑張ってください!!💗 (1月4日 0時) (レス) @page13 id: 60a5994a82 (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - ちささん» ちささん!ありがとうございます!前作から……!嬉しいの極みです!!!!不定期更新で申し訳ありませんが千切の魅力、頑張って出せるように頑張ります!これからもよろしくお願いします! (12月13日 14時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - 「青春とは、恋愛である。」からきました!前作もすごく好きなのですが、なにせ千切くん推しなもので、すごく楽しみです…!現時点でもう大好きです!!更新楽しみに待ってます! (12月12日 3時) (レス) id: 3ee6d9cd32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もむ | 作成日時:2023年12月11日 23時