clever and smart 2

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次の日、撮影の後川上さんの家に寄った。

おそらくまだ体調が本調子ではないだろうから長居をするつもりはないけど、やっぱり彼の側は落ち着くのでついつい来てしまった。

梨沙子さんの一件で、意外と川上さんについてまだ知らないことってたくさんあるんだな、と思った。

それはきっと相手も同じで、お互い話してないことだらけ。

今はあたしの隣で携帯をいじっている川上さんをちらりと見る。

どうして梨沙子さんと付き合ったか、とか聞いてみてもいいかな〜…。

でも昔の話聞かれたら困るかな…。
あたしなら困るわ…。

などと考えていると視線に気づいた川上さんと目が合ってしまった。

「…何？」
「いえ…何も……」
「今日は嘘下手やな。」

彼は誤魔化そうとしたあたしに、そう冗談ぽく笑いながら言う。

困ってしまい黙っていると彼は携帯を置いてあたしと向き合った。

「何か聞きたいことでもあった？」

あるけども。元カノのことなんて聞きづらい。

口を開けるのを渋っていると川上さんは笑った。

「梨沙子のこと？」
「…なんでわかるんですか。」
「いや、俺だってもし突然Aさんの元彼がちょっかいかけてきたらどんな奴だったか気になるし。」
「…梨沙子さんのことを聞きたいと言うか、川上さんが今までどんな風に女性とお付き合いをしてきたのかちょっと知りたくて。」

彼が「いいよ」と言うので色々聞いてみたいことを思い切り口に出してみる。

「梨沙子さんとはいつ頃付き合ってたんですか？」
「いつだっけ、2年生のときかな。」
「どっちから？」
「梨沙子から。」

淡々と一問一答を繰り返し、彼がどんな恋愛をしてきたのかを探ってみた。

「好きでしたか？」
「んー…分からん。あの頃は来るもの拒まずで誰と付き合っても長続きしなかったし。でも梨沙子が1番、長かったかな。」
「なるほど。」

あたしと似ている、来るもの拒まず去る者追わず。

「でも長く続いたのは梨沙子が辛抱強くてしっかりしてたおかげだっんだと思う。そういうところは梨沙子とAさんは似てるかも。」
「…確かに何してもめげなさそうなところはシンパシーを感じます。」
「それまで付き合った子とは違って面白くて、梨沙子ならこれから好きになれるかもしれないって思ってたけど、多分俺が彼女に無関心そうな態度をとったことが耐えられなかったんだと思うんだよね。だから別れた。」

彼はこんな感じだよ、と最後に言いあたしを見た。

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