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拓朗side

講義を終えて家路につくも、どうも頭痛がして関節に違和感を覚えた。

これはきっと熱が出ているな…。この前ゼミの中に風邪を引いた奴がいたから、きっとそいつから移ってしまったんだ。

今日はAさんの家に行く予定だったけどこれでは無理だ。

自宅に着いて熱を測ると案の定高めの熱があった。

喉も痛いしダルいし、しんどい。

“体調崩した”とだけ彼女にメッセージを送りソファに横になって目を伏せる。

…Aさん来てくんねぇかな。と頭の隅で思いながらうとうとしていた。

するとピンポン、とインターホンが鳴る。

Aさんか?と一瞬考えたが、連絡してから然程時間が経っていないし、彼女は合鍵を持っているからインターホンを鳴らすことはない。

宅配かな…と、渋々体を起こしてドアを開けた。

そこにいたのは、言わば俺の元彼女。

「梨沙子…なんでここにおんの。」

にこっと微笑んで強引に玄関に入ってきた。

「ちょっと久しぶりに拓朗とお話ししたくて来ちゃった。でもごめんね、具合悪そうだね。お粥でも作ろうか?」
「いや、大丈夫だから。帰って、移したら悪い…」
「いいからいいから」

ぐいぐいと来る梨沙子を止めようとするも、体がふらついて梨沙子に支えられてしまった。

「ちょっ、ほら、全然大丈夫じゃないじゃない!早く横になって!」

情けないけど、今は強引な梨沙子を追い払う力はない。

変わってないな。女の子らしいのは見掛け倒しで、負けず嫌いで融通のきかない、こうと思ったらそれに向かって突っ走るところ。

今はマジで、何を言っても何をやっても梨沙子には敵わない。無理だ。

弱々しく横になって携帯を見ると、“今お宅に伺います”というAさんからのメッセージが来ていた。

まずい。これじゃAさんと梨沙子が鉢合わせる。

「拓朗、お粥できたよ。食べる?」
「ありがとう。でも悪いけど帰って。今…げほっ」

喉が腫れていて上手いこと話せない。

「もう、拓朗大丈夫?」

彼女に背中をさすられていると、ドアが開いた。

「失礼します。」

聞き慣れた声でそこに来たのは、Aさん。

…あぁ、しまった。

現れた彼女はまさに「氷の女王」だった。

今まで見たことのないくらいの無表情さと声の低さ。

みたらわかる。相当怒っている。

もう一度梨沙子に「帰って」と伝えたけど、Aさんは「いいですよ」と、帰さなくてもいいと言う。

最後まで氷の女王は表情で梨沙子を圧倒していた。

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なぁ(プロフ) - 咲良さん» そう言って頂けると嬉しいです。ありがとうございます、楽しみにしています! (2019年2月19日 21時) (レス) id: 14a8b3f8b0 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - なぁさん» いえ、とても素敵なテーマです、是非考えさせて下さい。せっかくだし川上さんオンリーからみんな目線も考えてみたいので、短編集などで登場させたいと思います!本当にありがたいお話です! (2019年2月19日 21時) (レス) id: e819abafbc (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - よくよく考えずとも、お返事頂けた嬉しさで調子に乗っておりました…。いつかの機会に、気が向いたら程度に思ってください。すみませんでした…! (2019年2月19日 17時) (レス) id: 14a8b3f8b0 (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - 咲良さん» ご検討有難うございます!こちらこそ、図々しくすみません。むしろ、別作品なんて良いのでしょうか??泣いて喜ぶんですが…(;・∀・) (2019年2月19日 13時) (レス) id: 14a8b3f8b0 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - なぁさん» ごめんなさい、前言撤回します。いただいたテーマ、私の文章力では1話にとどめられそうにありません。また別の作品として描かせていただくことは可能ですか? (2019年2月19日 0時) (レス) id: e819abafbc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:咲良 | 作成日時:2018年11月24日 20時

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