番外編 roller coaster 2 ページ21
「Aちゃん着いたらすぐに乗りたいやつある?」
新幹線で山本さんに話しかけられて顔を上げた。
するとみんなもあたしを見てなんと答えるのか気にしている。
みんな、あたしが今までこんな風に友達と遊びに行ったことがあまりないというのを知っているからか、あたしが楽しめるように気を遣ってくれている。
へへっ、と適当に笑い
「あー、何があるかよく知らないので、お任せします。」
と答えると、山本さんは「じゃあバックドロップかダイナソーかな〜」と無邪気に言う。
いきなりハードすぎるアトラクションの名前を言われてサッと血の気が引いた。
隣で川上さんは必死で笑いをこらえ、みんなも山本さんに「いいねー」「それ俺もめっちゃ乗りたい!」と同意していた。
あたしは遠慮します、の一言が、なかなか言えません…。
そして新大阪に着きそこから電車を乗り継いで、ついに、ユニバまで来てしまった。
う、うわー、アトラクション以外は全部楽しそう〜。
ていうか人が多い。あたしすぐ連れとはぐれる節あるんだよな、と思っていると、伊沢さんがあたしの頭をぽんとする。
「なんかそわそわしてない?」
「こんなに人が多いとみんなのこと見失いそうだなと思いまして…」
伊沢さんはははっと朗らかに笑う。
「なんかAちゃんて人混みのせいではぐれるってよりも自分の気になるとこに1人でふらっと行っちゃいそうだよね。」
「…そうですね。」
否めませんね、単独行動をこよなく愛してきた人生ですから。
「川上ー、Aちゃんすぐいなくなりそうだからちゃんと手掴んでてー。」
伊沢さんがからかうように川上さんに声をかける。
「いや、そんなすぐははぐれないですよ…」
と説得力のない否定をしていると川上さんが振り向きあたしの前に手を出す。
「はい。」
くそぅ、こんなの掴んでしまうに決まっているじゃないですか。
差し出された手を何もわずぎゅっと握って人混みをみんなで進んだ。
(川上さんは時折「楽しみだね〜」とあたしをからかうように呟いて笑っていました。)
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なぁ(プロフ) - 咲良さん» そう言って頂けると嬉しいです。ありがとうございます、楽しみにしています! (2019年2月19日 21時) (レス) id: 14a8b3f8b0 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - なぁさん» いえ、とても素敵なテーマです、是非考えさせて下さい。せっかくだし川上さんオンリーからみんな目線も考えてみたいので、短編集などで登場させたいと思います!本当にありがたいお話です! (2019年2月19日 21時) (レス) id: e819abafbc (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - よくよく考えずとも、お返事頂けた嬉しさで調子に乗っておりました…。いつかの機会に、気が向いたら程度に思ってください。すみませんでした…! (2019年2月19日 17時) (レス) id: 14a8b3f8b0 (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - 咲良さん» ご検討有難うございます!こちらこそ、図々しくすみません。むしろ、別作品なんて良いのでしょうか??泣いて喜ぶんですが…(;・∀・) (2019年2月19日 13時) (レス) id: 14a8b3f8b0 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - なぁさん» ごめんなさい、前言撤回します。いただいたテーマ、私の文章力では1話にとどめられそうにありません。また別の作品として描かせていただくことは可能ですか? (2019年2月19日 0時) (レス) id: e819abafbc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲良 | 作成日時:2018年11月24日 20時