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番外編 switch ページ34

拓朗side

ある日の夜10時。

彼女はソファーに座りテレビを見ていたが、いつの間にか俺の肩でうとうとと眠りに落ちていた。

「Aさん」

名前を呼ぶと重たそうな瞼をゆっくりと開く。

「はい…」

小さな声で返事をして顔をあげた彼女が、いつもよりどこか幼い表情でふっと笑いが溢れた。

「ここで寝たら風邪ひくよ。」
「ひかない…」
「ひかないってなんだよ」

寝ぼけているのか変なことを言いながらまた目を閉じようとするので更に面白かった。

どうやってベッドで寝るよう促せばいいんだ…と考えて立ち上がろうとすると彼女がぎゅっと俺に抱きついてきた。

「…ここにいてくれなきゃ困る」
「なんでやねん」

変な甘え方をする彼女が可笑しくてしばらくこのままでもいいかなと思ってしまう。

だけどそういうわけにもいかないと思いもう一度名前を呼んだ。

「Aさん」

ゆっくりと顔を上げた彼女の頭を撫で、そのまま唇を奪った。

「んーーー」

彼女は驚いたのかそんな声を出していたが、次第に深くしていくとちゃんと応えるようになった。

離れて目を見つめると、さっきの眠そうな目とは打って変わってしっかりと開いている。

「…びっくりして目ぇ覚めました」

Aさんは少し顔を赤らめて俯いた。

「ちゃんとベッドで寝ましょう。」

すると今度は上目遣いで俺を見つめて、艶やかな表情を浮かべる。

「…もう一回。」

彼女はそう呟いて、自分からキスを求めてきた。

「続きしないで、寝ちゃってもいいんですか。」
「…せやなぁ」

…そんなの、最初からそのつもりなんだけど。

だからキスで、君のスイッチを入れたつもりだったんだけど。

よくよく考えてみたら先にスイッチを入れられていたのは俺の方だったってことかな。

さっきまで幼い可愛らしい顔してたくせに、今はもう艶っぽい大人の表情。

やっぱりずるいな、と今も昔も変わらず思わされる。

黙ってAさんを見つめていると、彼女は追い討ちをかけるように口を開いた。

「…ちゅーの、続きは?」

これはあかんやろ…。

俺は返事をせず、ゆっくりと彼女を押し倒した。

番外編 Memories of my 16 years old→←番外編 ladies day



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なぁ(プロフ) - 咲良さん» そう言って頂けると嬉しいです。ありがとうございます、楽しみにしています! (2019年2月19日 21時) (レス) id: 14a8b3f8b0 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - なぁさん» いえ、とても素敵なテーマです、是非考えさせて下さい。せっかくだし川上さんオンリーからみんな目線も考えてみたいので、短編集などで登場させたいと思います!本当にありがたいお話です! (2019年2月19日 21時) (レス) id: e819abafbc (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - よくよく考えずとも、お返事頂けた嬉しさで調子に乗っておりました…。いつかの機会に、気が向いたら程度に思ってください。すみませんでした…! (2019年2月19日 17時) (レス) id: 14a8b3f8b0 (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - 咲良さん» ご検討有難うございます!こちらこそ、図々しくすみません。むしろ、別作品なんて良いのでしょうか??泣いて喜ぶんですが…(;・∀・) (2019年2月19日 13時) (レス) id: 14a8b3f8b0 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - なぁさん» ごめんなさい、前言撤回します。いただいたテーマ、私の文章力では1話にとどめられそうにありません。また別の作品として描かせていただくことは可能ですか? (2019年2月19日 0時) (レス) id: e819abafbc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:咲良 | 作成日時:2018年11月24日 20時

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