clever and smart 2

番外編 ghost story ページ18

「え、川上さんもふくらさんもホラーだめなんですか？」

夏ということもあり心霊番組やユーチューバーの心霊スポット巡りなどが盛りとなった頃、オフィスでも話題に上がった。

「ダメというか苦手。」

と真顔で川上さんは拒絶。

「俺本当に無理。意味怖とかも文章読むことすら無理。」

ふくらさんは笑っているけど目が本気で嫌がっていた。

「いいこと聞きました…。」

なんせあたしは、小学生の時は平気で近道に墓地の近くを通っていたし、今は1人で心霊番組を見ても夜はぐっすり眠るような図太さを持つ女である。

ホラー映画やゾンビ映画も微動だにせず鑑賞できる。

おばけなんて別に見えないんだから怖くない。

「俺は今1番Aちゃんが怖かったわ…」
「俺も須貝さんに激しく同意。」
「川上、ふくら気をつけろ、あの女は必ず仕掛けてくるぞ…！」

1人でふふっと笑うあたしに恐れ戦く須貝さんと川上さんを横目にある提案をする。

「ロウソクを灯して怪談話をしましょう。」

そういう季節になってきたわけだし、怖がらせるのが好きなので是非ともやりたい。

すると川上さんとふくらさん以外のみんなは乗り気で「いいねー」「夏っぽーい」と過半数の了承を得たので百物語の開催が決定した。

嫌がる2人を無理やり須貝さんと伊沢さんが引っ張ってくると、部屋の明かりを消してロウソクに火をつけ、それを囲むように皆んなで床に座った。

川上さんはもう諦めの表情を浮かべ、嫌々ながらもあたしの隣に腰をおろす。

「…Aさんあとで覚えとけよ。」

と小さい声で言われて若干違う恐怖を覚えた。

ふくらさんはまだ「ホントにやだ〜、やめよ〜」と粘っていたけど無理やり須貝さんに輪の中に連れ込まれてしまい逃げる術をなくした様子。

「実は僕結構すごい話持ってるから、僕からいっていいですか？」

との河村さんの一言により、薄暗い部屋の中、百物語が始まったのである。

「栃木に有名なトンネルがあるんだけど…」

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