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病室の前に立つと、
賑やかな声が聞こえてくる。


そっとドアを開けると、


「あ、るりちゃんやっと帰ってきた。」


と與さん。


「すみません。下で亮介くんと会って。」


と言えば、実彩子さんが


実「こんにちは。はじめましてだよね?」


と亮介くんに話しかける。


「はい。花井です。
お世話になってます。


実物の宇野ちゃん、綺麗!」


実「もう、そんなこと言ってもなにもでないよ?」


と答える実彩子さんはやっぱりかわいい。


「隆弘、人使い荒いでしょ?

いつも支えてくれて本当にありがとう。」


そうやって、みんなに挨拶をする姿は、
ちゃんと西島さんの彼女だ。
それが苦しくて、悔しくて。

一昨日までそこにいたのは私だったのに、
今は違う。
あんなに幸せを感じてたのに、
まるですべて夢だったかのよう。

指先が冷たくなって、
実彩子さんのキラキラした笑顔も、
未だちゃんと見れずにいる西島さんの顔も、
だんだん、色が無くなっていく。
息が苦しい。


花「るりちゃん?」


そんな私を現実に引き戻したのは亮介くんの声で。


「…な、何?」


花「顔色あんまりよくない。」


「大丈夫だよ。ちょっと疲れてるだけ。

あ、実彩子さん。
これ、みなさんでどうぞ。」


実「ありがとね、気を使ってもらって。」


「いえ、じゃあ、私はこれで。

失礼します。」



実「もう帰っちゃうの?」


と言う実彩子さんに軽く頭を下げ、
荷物を持ち、
部屋を出ようとすると、


花「俺も用事思い出したんで、帰ります。

るりちゃん、送ってくよ。
行こ。」


「大丈夫って…、あ、亮介くん!」


亮介くんは私の荷物を無理やり持ってしまう。
ついでに逆の手で私の手を握り、
部屋から連れ出した。

部屋の中を振り返った瞬間、
目があった西島さんが
なんとも言えない辛そうな顔をしていて
胸が痛くなった。

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作品ジャンル:恋愛
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リリィ(プロフ) - ちゃんうめさん» ちゃんうめさん。コメントありがとうございます!温かいコメント頂いてとても嬉しく、こちらこそ感謝です☆ (2018年5月21日 19時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - 由希さん» 由希さん、ありがとうございます!やっと続き書き始めました!引き続き楽しんで頂けたら嬉しいです。 (2018年5月21日 19時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - りんさん» りんさん、ありがとうございます!すっごく嬉しいです。続編、書き始めたのでよかったら引き続きよろしくお願いします! (2018年5月21日 19時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - いろんな方の小説がある中で、やっぱりこの話が1番大好きです本当に( ; ; ) ずっとずっと読み続けたいです…お話楽しみにしてますね! (2018年5月17日 21時) (レス) id: 76f9ce82a3 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 4終了お疲れ様です。続き楽しみに待ってます (2018年5月16日 23時) (レス) id: ec5f86864e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2018年4月14日 21時

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