大好きな人は。4

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『大阪を出ました。』


と西島さんにＬＩＮＥをすれば、


『待ってる。』


と返信が来る。


與「にっしーのとこ、行くん？」


隣から與さんに話しかけられる。


「はい。」


與「ちょっとだけ、
俺も顔を見に行ってもいい？

にっしーには俺から連絡しとくから。」


やっぱりさ、ちょっとは心配や

という與さん。
プライベートでも仲のいい二人だもんな。


「はい。」


そして無事東京に到着し。
與さんと二人、病院に向かう。


西島さんの部屋のドアをノックすると、


「はい」


と返事が返ってきて、
その瞬間どくんと心臓がなる。


この声…。


固まってしまった私の様子を見て、
すっと私の前に立って、ドアを開けた與さん。


與「実彩子ちゃん。きとったん？」


実「あ、真司郎！
おつかれ。

明日退院なのに、何にも準備してないんだよ、
隆弘ってば。」


困るよね、と眉を下げながらも、
嬉しそうに笑う実彩子さん。


「お疲れ様です。」


與さんの後ろからなんとか挨拶をする。



與「明日退院って聞いたから、
大阪帰りついでに寄ってみた。
な？るりちゃん。」


「はい。」


実「そうだったんだね。わざわざありがと。」


西島さんの視線を感じるのに、
どうしても、そっちを見られない。


「あのっ、

私、なにか飲み物とか、買ってきますね。」


くるっと回れ右をして、病室をでる。
エレベーターに乗って、ドアを閉めて、
壁に寄りかかって息を吐く。


やっと酸素が体の中に入ってく感覚。


「はぁー。」


私は体の力が抜けてズルズルとしゃがみこんでしまった。

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