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176 side atae ページ26

昨日のにっしーとのやりとりを思い出して
ぼんやりしてた俺に、


「スケジュール、確認させてください。」


と資料を見ながら、
確認点をひとつひとつメモしていくるりちゃんは
出会った頃よりも痩せたように思う。
纏う空気も少し変わった。



「…って感じでいいですか?

與さん?」


與「ん?あ、それでええよ。」


「はい、じゃあよろしくお願いします。」


資料をバッグにしまい、
新幹線に乗る前に買った
コーヒーを飲む。


るりちゃんは?と聞けば、
私、コーヒーはまだ…と、
ミネラルウォーターを俺に見せる。


與「にっしーの手術、
うまくいったんやってな。」


「はい。ホッとしました。
あとは、声が出せるようになるのを待つだけです。」


にこりと微笑むるりちゃんは、
確かにかわいい。


「にっしーに言われてるんや。

かわいいからって、
るりちゃんに手を出すなって。」


「…っな、また、そんなこと。」


西島さんったら、もう…
と呟きながらも、少し嬉しそうにも見える。


與「なぁ、
るりちゃんが倒れた時、
にっしーと電話してたの覚えとる?」


「なんとなく…、ですけど。」


與「あの時、
ああ、本気なんやなって思った。


あんなにっしー、
初めて見た。」


「…。」


何も言わず、
俯く。



與「誰か相談乗ってくれる人、おるん?
話聞いてくれる人は?」


無言で首を横に振る
るりちゃん。


與「溜め込むのは、体に悪いで。」


「大丈夫です。私。」


與「にっしーの言ったとおりやな。」


「え?」


與「大丈夫やなくても、大丈夫って言うって。」


「…もう、西島さん。

変なこと言って…。」


與「愛されとるな。」


「えっ…!あ、違います。

私、ただのマネージャーですから。」



與「はいはい。
そういうことにしといたる。


また話したくなったら、
いつでも言って。

じゃあ、
ちょっと寝るから起こしてな。」


「はい。

あのっ、ありがとうございます。」



うん、と一つ頷いて
俺は目を閉じる。


にっしーにも、るりちゃんにも、
実彩子ちゃんにも、
幸せになってほしいと思いながら。

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作品ジャンル:恋愛
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リリィ(プロフ) - ちゃんうめさん» ちゃんうめさん。コメントありがとうございます!温かいコメント頂いてとても嬉しく、こちらこそ感謝です☆ (2018年5月21日 19時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - 由希さん» 由希さん、ありがとうございます!やっと続き書き始めました!引き続き楽しんで頂けたら嬉しいです。 (2018年5月21日 19時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - りんさん» りんさん、ありがとうございます!すっごく嬉しいです。続編、書き始めたのでよかったら引き続きよろしくお願いします! (2018年5月21日 19時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - いろんな方の小説がある中で、やっぱりこの話が1番大好きです本当に( ; ; ) ずっとずっと読み続けたいです…お話楽しみにしてますね! (2018年5月17日 21時) (レス) id: 76f9ce82a3 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 4終了お疲れ様です。続き楽しみに待ってます (2018年5月16日 23時) (レス) id: ec5f86864e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2018年4月14日 21時

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