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息が苦しくて、
自然に開いてしまった唇の間に
すっと入り込む西島さんの舌。


私の中を
撫でるように優しく、でも深く。


こんなキスは生まれて初めて。
立っていられなくて、
膝からガクンと崩れ落ちる私を
支える西島さんの腕。


強く抱きしめられて、
私も西島さんの服をぎゅっと掴む



してはいけないキスだって、
たぶん、
西島さんもわかってる。



抱き合ったまま、


「帰りましょうか?」


と言えば、


西「そう、だね。」


と答えた西島さんは、体を離した代わりに
私の手を握って歩き出した。


大通りまででれば、すぐにタクシーは見つかる。


西「ごめん、今日は…送れない。」


私を先に乗せた西島さんが言う。


「…ひとりで、大丈夫、です。

お疲れ様でした。」


西「気をつけて帰れよ。」


お願いしますと、運転手さんに言えば、
すぐに閉まるドア。
何か言いたそうな西島さんをその場に残し、
走り出すタクシー。



背中をシートに預けて目を閉じると、



るり…。



耳に残る西島さんの声。



目を閉じて、
何度も何度もその声を思い返す。



家について、鍵を取り出せば、
そこには西島さんがくれたキーホルダー。


「…っ!!」


飛行機の中でこれをつけた時は、
すごく嬉しくて、
それだけで幸せだったのに。



数時間後の私は、
どうだろう?


鍵を開け、部屋に入り
着ていたままの
西島さんのジャケットを脱ぐ。


服からも、自分からも、
西島さんの匂いがする。
胸がキュッとなって、苦しいよ。


好きで好きで、
苦しい。



大好きな人は。


今日の私の名前を呼んだ。
私にキスをした。
私を抱きしめた。


あなたの気持ちが、
わからないよ?


私は、どうすればいい?

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作品ジャンル:恋愛
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リリィ(プロフ) - オーバーさん» いつもありがとうございます!このあとも楽しんでください☆ (2018年3月27日 20時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - kiymik0919さん» 最高だなんて、嬉しすぎますっ!続きも書き始めたので、そちらもよろしければ読んでやってください☆ (2018年3月27日 20時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - nnnさん» 好きすぎるなんて、ありがとうございます!すごく嬉しいです☆このあとも楽しんでいただけたら嬉しいです! (2018年3月27日 20時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - dencha1130さん» コメントありがとうございます☆すごく嬉しいです!続編も書き始めたのでそちらも楽しんでください☆ (2018年3月27日 20時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
オーバー - もうヤバい!!サイコーです!! (2018年3月26日 14時) (レス) id: 4343d9fd82 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2018年3月13日 1時

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