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54 side Nissy ページ4

「20歳になってすぐでした。
でもまだ、実家に戻れば両親がいるんじゃないかなって思ったりします。もう、4年も経つのに。」


西「そっか…。」


「最初はね、どうして一緒に連れてってくれなかったのかって、思ってたんです。

でも、音大も最後まで通えたのはちゃんとお金を遺してくれた両親のおかげですし、そのおかげでちゃんと就職して、今生きてられるので。

感謝しかないですね…。」


写真を見ながら微笑む速水。


「さっ、食べましょ。私、お粥いただきます!」


テーブルにはご飯、味噌汁、卵焼き、ほうれん草のおひたし。


「作りますなんて言ったのに、これだけですみません。
しかも、西島さんが買ってきてくださった
材料つかわせていただきました。」


西「うまそー!いただきます。」


お味噌汁をひと口飲む。


西「うまーい。」


「よかった。」


もくもくとご飯を食べて、あっと言う間に完食。
速水はレトルトのお粥をなんとか半分食べ、
ごちそうさまと手をあわせてた。


西「さっき、聞き流しちゃったけどね、音大出身なの?」


「はい、ピアノ専攻してました。」


西「すげー。尊敬する、楽器できる人。
今度聴かせてよ。」


「でも、もう指が動かないと思います。
卒業してから全く弾いてないので。」


西「楽しみにしてよー。」


「私の話、聞いてます??」



西「聞いてませーん。
って、良かった、普通に話せて。




この前、あんなことして、


ホントにごめん。」


両手を膝について、頭を下げる。



「…なんのこと、ですか?
謝って頂くようなことなんて…

何もないです。」



西「速水、俺…」



俺の言葉は聞かないとばかりに、


「実彩子さんのこと、
大切にしてあげてください。

時々、寂しそうな顔をして西島さんのこと、
見てますよ。気づいてます?」


そりゃ、なんとなくはわかってる。
そして、どうやってその寂しさを紛らわせてるかも。


西「わかってる…。」


なぁ、速水。
速水にそんなふうに言われたら、
俺はますます、自分の気持ちに気付かないふりをするしかないよ。

55→←53 side Nissy



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作品ジャンル:恋愛
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リリィ(プロフ) - オーバーさん» いつもありがとうございます!このあとも楽しんでください☆ (2018年3月27日 20時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - kiymik0919さん» 最高だなんて、嬉しすぎますっ!続きも書き始めたので、そちらもよろしければ読んでやってください☆ (2018年3月27日 20時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - nnnさん» 好きすぎるなんて、ありがとうございます!すごく嬉しいです☆このあとも楽しんでいただけたら嬉しいです! (2018年3月27日 20時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - dencha1130さん» コメントありがとうございます☆すごく嬉しいです!続編も書き始めたのでそちらも楽しんでください☆ (2018年3月27日 20時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
オーバー - もうヤバい!!サイコーです!! (2018年3月26日 14時) (レス) id: 4343d9fd82 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2018年3月13日 1時

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