大好きな人は。2

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タクシーに乗り込むと、
知らない地名を告げる西島さん。


西「昨日、部屋片付けてくれたの、速水？」


「…はい。話してたら寝ちゃうから
びっくりしました。」


ははっと、笑いながらごめんという西島さん。


西「久しぶりに酒飲んだからかな？」



昨日、言ってたこと、
覚えていますか？


なんて聞けるわけもなく。
ただ流れる景色を見ていた。

かわいいって言われてドキドキしたこと。


あれは、私の中だけにしまっておこう。





「んーっ！おいしっ！！」


西島さんが連れてきてくれたラーメン屋さんは、
特に変わったところもなく、
至ってふつうのお店だったけど。


でも、すっごく美味しくて、びっくり！


「こんな美味しいラーメン、
初めて食べました！」


西「だろ？これ食べないと
帰ってきた気がしないんだよな。」


「近くにあったら、通いたくなりますね。」


西「そうだよなぁ。
あ。速水、あれからちゃんと飯食ってる？」


「はい。おかげさまで。」


西「よかった。」


にこっと笑って、頭をぽんとする。


「あの…。」


西「ん？」


「頭…撫でるの、癖ですか？」


西「へ？」


「よく、そうやって、私の頭触るから…。」


何言ってるか、わからないって顔。

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