大好きな人は。2

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西「それ言われたときはさ、さすがに堪えた。」


その言葉を聞いたとき、


「西島さんは、色々、

一人で抱え込みすぎです。」



私は、西島さんを、そっと抱きしめていた。



西「速水…？」


「私、西島さんのこと、尊敬してます。
ここまでこの仕事を続けてこれたのは、
西島さんのおかげです。



西島さんのことサポートできるように、
私、頑張りますから。
頼りになるマネージャーになれるように、
もっと、頑張りますから。

そしたら、もっと自分の時間も持てるように、
なるだろうし…。」


最後まで言わないうちに、
腕を引かれ、
今度は私が西島さんに抱きしめられていた。


西「ごめん、ちょっとだけ…。」


びっくりして強張っていた、
体の力をぬいて、
そっと、西島さんの背中に手を回す。


西「俺も、実彩子と同じだな…。」


小さな声で呟かれたその言葉は、
私には聞こえなかった。


「え？」


西島さんの体が私から離れる。


西「なんでもない。ごめん。」


「謝らないでください。
西島さんは何も悪くないです。


先に西島さんに触れたのは、私です。」


西島さんは少しうつむいて、唇を噛んだ。


そして、

西「ありがとな。」


そう言って、また、
私の頭をくしゃくしゃってした。


「じゃあ…、私、戻ります。


明日、朝電話しますから、
ちゃんと起きてくださいね。

失礼します。」



西「よろしくー。」





大切な人が、
傷ついている。
でも、私には何もできない。


そう思ったら、すごく悲しくなった。

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